世界的に流行っているSNSといえば、Instagram、Facebook、Youtubeなど様々あるが、近年台湾発の匿名SNS「Dcard」が台湾で流行っているのをご存知だろう。台湾国内ではSNSランキングで常にトップ5以内にランクインしているこのアプリを紹介!
台湾で人気なDcardとは?
Dcardは台湾の大学生に非常に人気がある、大学生向けの匿名掲示板である。サービスローンチは2013年、実際にサービススタートしたのは2015年である。リリースしてから約3年半が経過した2019年6月では、月間15億ページビュー、1,400万ユニークユーザーを保持し、台湾国内ではSNSランキングでは常にトップ5以内にランクされており、18-24歳のユーザー数は全ユーザーの7割を占めている。大学生のうち3人に2人は使っているアプリと言える。2019年9月5日現在、Top Google play apps のSocial部門ではFacebook、Instagramに次いで3位にDcardがランクイン。また台湾の全人口の3分の1はユーザー。日本でいうとTwitterと同じくらい人気であることがわかる。現在Dcard CEOの林裕欽(リン・ユーチン)が台湾大学に在学中に友達を作るきっかけ作りをして「Dcard」を開発した。マーク・ザッカーバークがFacebookを開発した時の境遇と少し似ている。
※ 2018年台湾人口約2,357万人
Dcardの機能3つ
Dcardは基本的に大学生であれば誰でも参加できる。そして機能は主に3つ。
1つ目は、SNS内に書き込みができることだ。質問事項やコメントを残したいときに参加が可能。質問・趣味カテゴリーが豊富で現在40種類ものカテゴリーが存在している。
2つ目は、同じ大学内でのコミニュティーがあるため、自分の大学ならではの質問等ができることだ。
3つ目は、毎日1回夜に1枚のカードを引くことが可能なマッチングサービスがあるため、アプリ内で新しい友達をつくることも可能だ。カードを引いたお互いが承諾しなければ成立しないが、もし成立した場合、2人でチャットができる仕組みだ。もちろんこれは任意。
Dcardは大学生限定の掲示板サービスと出会い系(友達作り)サービスを組み合わせたアプリなのだ。対象は大学生であるため、台湾の大学生でなくても登録することが可能。もし登録していなくてもアプリをダウンロードしたり、彼らの投稿を観覧すること、話題のカテゴリー検索は誰でも可能だ。
Dcardが選ばれている理由
また弊社台湾人スタッフ数名にDcardついて聞いてみた。
Dcardは大学生限定であるため、年齢の近い人たちと匿名性で繋がれるため気軽に様々な話ができたり、同年代の間で注目されている話題を知ることができること、また、1日1回新しい人と友達になれるチャンスがある点がDcardの人気な理由である。しかし意見の中には、大学生の時は頻繁に使用していたが、大学を卒業した後は大学生ではないため、あまりDcardを使わなくなったという声もあった。
日本にはDcard類似のアプリはある?
まだ日本では台湾ほど大きな話題になってはいないが、Dcardの日本版としてDpickが存在している。日本の大学生を対象にした大学生限定の掲示板である。また地域ごとのコミュニティー爆サイ.comもDcardと類似アプリと言えるであろう。
台湾の大統領もDcardに注目している
2019年7月には台湾の大統領である蔡英文氏がDcard社を訪問した。その際、Dcardのミッションは皆が共通点を見つけ、若者を様々な話題の議論に引き込むことだと蔡英文大統領は話した。そしてその後匿名SNSであるにも関わらず、匿名の記事にもかかわらず、ロンドンスクールオブエコノミクスアンドポリティカルサイエンスの学生として、Dcardで「出張中のニューヨークのドーバー」に対する気持ちを共有した。ユーザーの目からは大統領の投稿として認識されており、大統領スタッフもこれが蔡英文大統領の投稿であることを確認した。蔡英文大統領もDcardのアプリに注目していることが感じられる。
ライター:富永千尋