コンタクト王国台湾
台湾に来る日本人の間で有名なものの一つに、台湾はコンタクトがいたるところで買える、というものがある。実際に台湾ではクリアレンズもカラーレンズも処方箋なしで購入できる。しかも、専門の商店だけでなく、ドラックストアや駅、なんとコンビニでも販売している。クリアレンズの場合は日本で購入するほうが安いまたは変わらないことが多いが、カラーレンズの場合は、台湾のほうが種類も多く、比較的安い。実際に、筆者が購入して着用してみたが、日本で処方箋に基づいて購入するレンズと変わらない。長時間着用していても、乾燥で目が痛くなることも、つかれることもほぼない。
中華民国経済部の統計発表によると、去年の台湾のコンタクト生産額は、430億台湾ドルに達し、さらに今年4月までの生産額は135.8億台湾ドルに達し、前年よりも7%増している。今年も安定成長している。
コンタクトレンズ輸出額が11年連続で2桁成長
実は、国内生産額にとどまらず、海外への輸出額も大きく増えている。
去年の台湾のコンタクトレンズ輸出額は、4.3億アメリカドルで、前年に比べ19.8%増し、11年連続で2桁成長している。コンタクトの主要な輸出先市場は、去年2018年は日本が最も多く59.3%を占め、2.6億アメリカドルに達した。中国大陸や香港へは、23.5%を占め、1億アメリカドルであった。
下のグラフは、過去10年間の台湾のコンタクト輸出入額の変化である。
青が輸入額、赤が輸出額である。
圧倒的に輸出額が多く、また安定して成長し続けているのがよくわかる。
日本の輸入先としても第二位につけている
なんと台湾は日本がコンタクトを輸入する輸入元第2位に浮上している。以下の2007年と2017年比較の円グラフを見てほしい。2007年には、アイルランドとアメリカが1、2位を占めていたのにもかかわらず、2017年位はアメリカのポジションに台湾がいる。また、それだけでなく、2007年と比べて、アイルランドの占める割合を減らしているのだ。
また、次のグラフを見ると、台湾だけが唯一安定成長であるのがよくわかる。
そもそも、日本のコンタクトレンズの売り上げ額や輸入量も年々増えている。そのうちカラーレンズの割合も年々増加しているようだ。東京税関によると、台湾からの割合の増加の要因の一つに、台湾の工場等へ日本のメーカーによる受注生産が増えているためであるそうだ。これらのことから、日本の台湾からのコンタクトレンズ輸入量の増加と台湾のコンタクトレンズ輸出量の増加は相関関係があるといえる。
成長を続ける日台コンタクト市場
レンズの質の向上やカラーレンズの人気上昇など様々な要因でコンタクト市場が継続的に成長している台湾と日本。
輸出入の関係だけでなく、片方の流行がお互いに影響しあう関係があるからからこそ、これからも協力し続けたら更なる成長が見込めるのではと考える。
ライター:駒田優希