
台湾市場は親日感情が強く、日本ブランドへの信頼も厚い。しかし、現地に進出する際には必ず法規制の理解が必要である。特に食品や化粧品は消費者の安全に直結する分野であり、関連法規や許可申請を怠れば輸入禁止や販売停止といったリスクを負うことになる。本記事では、日本企業が台湾進出時に押さえておくべき主要な法律・規制について整理する。
食品関連の法律・規制

台湾市場は親日感情が強く、日本ブランドへの信頼も厚い。しかし、現地に進出する際には必ず法規制の理解が必要である。特に食品や化粧品は消費者の安全に直結する分野であり、関連法規や許可申請を怠れば輸入禁止や販売停止といったリスクを負うことになる。本記事では、日本企業が台湾進出時に押さえておくべき主要な法律・規制について整理する。
食品関連の法律・規制
台湾における食品の管理は「食品安全衛生管理法」に基づいている。輸入食品を販売するには、以下のような規制がある。
- 輸入許可の取得:輸入食品は衛生福利部(日本の厚労省に相当)の審査を受け、必要に応じて登録や許可が必要である。
- ラベル表示義務:成分表示、アレルゲン、原産国、賞味期限などを中国語で明記しなければならない。誤表示や不備があると通関できない場合がある。
- 検査制度:乳製品、肉製品、健康食品などは強化検査対象となる。違反時には輸入禁止措置が取られることもある。
- 健康食品の認可制度:特定の効能を謳う「健康食品」は、衛生福利部の許可を得て「健康食品マーク」を表示しなければならない。
化粧品関連の法律・規制

化粧品は「化粧品衛生安全管理法」に基づき管理されている。2019年に全面改正され、規制が大幅に強化された。
- 製品登録制度:輸入化粧品は販売前にオンラインシステムで製品登録を行う義務がある。
- 成分規制:ホルモン剤や特定の防腐剤などは使用禁止、または配合量の上限が定められている。
- ラベル表示:成分、使用方法、保存方法、製造業者情報を中国語で表示する必要がある。
- 広告規制:医薬品的な効能(治療、治癒など)を謳うことは認められていない。違反すると罰則が科される。
輸入・通関に関する注意点
台湾で輸入業務を行う場合、関税・検疫制度も重要である。
- 関税と検疫:農産物や動物由来の食品は特に厳しい検疫対象となる。事前に許可証を取得することが必要である。
- 輸入業者登録:現地法人や代理業者を通じて輸入者登録を行わなければならない。
- EC販売の拡大:近年はECを通じた日本製品の販売が増加しているが、ECであっても規制は免除されず、正式な輸入手続きを経なければならない。
実務的なポイント
台湾市場に進出する際、日本企業が特に注意すべき点は以下の通りである。
- 現地パートナー選び:通関や法規対応を熟知した代理店・流通業者を選定することが必須である。
- 規制改正への対応:台湾では近年、食品や化粧品に関する法律が頻繁に改正されている。常に最新情報をチェックすることが重要である。
- 知的財産権の保護:商標登録を行わないまま進出すると、第三者に商標を先取りされるリスクがある。進出前に必ず登録するべきである。
まとめ
台湾進出は大きなビジネスチャンスである一方、食品や化粧品に関しては厳格な法規制が存在する。日本と同様の品質基準を満たしていても、表示方法や申請制度の違いにより販売が認められないケースがあるため、事前の法規リサーチと現地専門家との連携が不可欠である。法規制を正しく理解し、適切に対応することで、台湾市場でのブランド信頼を築くことができる。
参考文献
- 衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)公式資料
- 食品安全衛生管理法(台湾現行法)
- 化粧品衛生安全管理法(2019年改正)
- 台湾財政部関務署「輸入通関関連規定」
- 経済日報、工商時報「台湾食品・化粧品規制に関する報道」


