小紅書(Xiaohongshu)は台湾で再び使えるようになるのか?── 現状と未来予測

2025年12月、台湾政府は中国発のSNS「小紅書(Xiaohongshu/RedNote)」へのアクセスを1年間停止する措置を発表した。表向きの理由は「詐欺関連とセキュリティ基準不合格」だが、この措置が今後どのように展開していくのか、多くのユーザーや企業の関心を集めている。

本記事では、小紅書の再開可能性と考えられる条件・シナリオをわかりやすく解説する。

参考:Wikipedia

現状:台湾でのアクセス制限は「DNSレベル」で実施中

台湾政府は内政部による行政命令で、小紅書へのアクセス停止措置を発動した。これにより多くのISP(インターネットサービスプロバイダー)がDNSブロックを使ってドメイン名の解決を止める形でアクセス制限を行っている。ただし、この制限はアプリの完全なシャットダウンではなく、技術的な手法によるものだ。

実際の利用者によれば、モバイルアプリでログイン・閲覧が可能なケースもあり、制限の効果は100%ではないという報告も出ている。

再開の鍵①:台湾政府が求める「法令順守と協力」

台湾当局は、小紅書側に対して以下のような対応を求めているとされる:

  • 台灣の法律に沿ったデータ安全措置とセキュリティ基準の順守
  • 台湾側の捜査協力・情報提供への対応
  • 台湾国内での法的主体(代表者)の設置

これらの要件が満たされれば、政府は制限の見直しや停止解除を検討する可能性を示唆しているという報道もある。

つまり、単なる時間経過ではなく、小紅書自身の対応次第で再開の可能性は残るという見方もある。

再開の鍵②:政治的・社会的な議論

小紅書停止措置に対して、中国政府側は「台湾の措置は表現の自由を損なう」と反発している。
また、台湾国内でも「詐欺対策として妥当」と評価する意見と、「過剰な統制だ」とする意見が対立している状況だ。

このため、再開の可否は単なる技術的・法的問題だけでなく、政治・社会のダイナミクスにも左右されると見ておく必要がある。

また、以下のようなシナリオが考えられる:

シナリオ①:条件付き再開

小紅書が台湾の規制・法令に対応し、データ管理・セキュリティ面で改善策を示す → 政府が制限を解除、運用再開。

可能性あり(対応次第)
⚠️ 対応負担が大きく、実現には時間がかかる

シナリオ②:一部機能だけ再開

例えば、台湾向けに限定したデータ処理やサーバ運用の見直し・現地法人の設置など、制限付き再開。

企業にとっては比較的柔軟な案
⚠️ 実行コストは高く、市場規模が小さいと判断される可能性あり

シナリオ③:停止継続・実質撤退

1年経過後も改善が見られず、タイ政府が延長や恒久的な制限を選択するケース。

現実的リスク(対応が不十分な場合)

再開までに企業が押さえておくべきポイント

参考:株式会社クーシー

台湾市場を見据える企業・マーケターにとって、以下の視点は重要だ:

✅ 小紅書以外のSNS戦略の再構築

台湾ではInstagram、Dcard、YouTubeなど他のSNSが既に強い影響力を持つため、依存度を下げる戦略が必須になる。

✅ 法令変化への対応準備

海外プラットフォームの台湾進出には、現地法令の理解とコンプライアンス体制の整備が必要になる。

✅ 利用者のデータ安全への配慮と透明性

プラットフォーム側の安全性・データプライバシーについてユーザー・政府双方からの信頼を得ることが、再開の申請や議論を進めるうえで重要な要素となる。

まとめ:再開は「不可能ではないが簡単でもない」

小紅書の台湾再開は一概に「可能」「不可能」と断定できない複雑な問題だ。
ポイントは次の通りである:

❶ 法令順守と協力対応が再開への「条件」
❷ 政治・社会的議論も影響する
❸ 企業は代替戦略を準備する必要がある

台湾は世界でもSNS規制とネットセキュリティに敏感な市場のひとつであり、今後の動向は他国の政策議論にも影響を与え得る。この点も含め、動きを注視する価値は高いだろう。

参考文献

  1. 中央通訊社(CNA)
    〈政府說明封鎖小紅書為期一年及後續檢討機制〉
    https://www.cna.com.tw/news/asoc/202512040160.aspx
  2. 中央通訊社(CNA)
    〈台灣要求電信業者以 DNS 方式限制小紅書存取〉
    https://www.cna.com.tw/news/asoc/202512040369.aspx
  3. Focus Taiwan
    〈Taiwan blocks access to Xiaohongshu over cybersecurity concerns〉
    https://focustaiwan.tw/society/202512060010
  4. Taipei Times
    〈ISPs ordered to block China’s Xiaohongshu〉
    https://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2025/12/05/2003848348
  5. Taipei Times(社説)
    〈Debate grows over Xiaohongshu ban and freedom of expression〉
    https://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2025/12/08/2003848492
  6. The Straits Times
    〈Taiwan’s Xiaohongshu ban triggers backlash among users〉
    https://www.straitstimes.com/asia/east-asia/nail-designs-food-reviews-are-not-politically-sensitive-taiwanese-users-rail-against-xiaohongshu-ban
  7. Taiwan News
    〈Taiwan bans RedNote for one year over fraud cases〉
    https://www.taiwannews.com.tw/news/6258944
  8. South China Morning Post(SCMP)
    〈Taiwan’s ban on mainland China app RedNote sparks debate〉
    https://www.scmp.com/news/china/politics/article/3335652
  9. FTNN 新聞網(台湾)
    〈小紅書遭封鎖後,台灣社群平台使用變化分析〉
    https://www.ftnn.com.tw/news/505197
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