台湾における「詐欺×SNS」問題の実態(小紅書制限の背景)

── なぜSNSが詐欺の温床になっているのか

台湾では近年、SNSを起点とした詐欺被害が深刻な社会問題となっている。2025年末に中国発SNS「小紅書(Xiaohongshu)」へのアクセス停止措置が取られた背景にも、この「詐欺×SNS」問題が大きく関係している。本記事では、台湾におけるSNS詐欺の実態と、その構造的な問題点について整理する。

台湾で急増するSNS詐欺の特徴

台湾の詐欺被害は、電話やSMSによる古典的な手口から、SNSを活用した手法へと急速にシフトしている。特に多いのは、以下のようなケースである。

  • SNS上で知り合った人物からの投資・副業勧誘
  • 美容・健康・暗号資産などを装った偽レビュー投稿
  • ECや個人売買を装った送金詐欺
  • なりすましアカウントによるDM詐欺

これらの多くは、**「実在する一般ユーザーの体験談のように見せかける」**点が特徴であり、広告よりも信頼されやすいSNSの構造が悪用されている。

なぜSNSが詐欺に使われやすいのか

台湾でSNS詐欺が拡大した背景には、いくつかの要因がある。

① レビュー文化とSNSの親和性

台湾では、商品購入やサービス選択の際にSNSや掲示板の口コミを重視する文化が根付いている。特に若年層は、広告よりも「一般人の体験談」を信頼する傾向が強い。この点が、詐欺投稿にとって非常に好都合な環境を生んでいる。

② プラットフォーム側の管理限界

SNSは投稿数が膨大であり、すべてのコンテンツを事前に精査することは難しい。通報があって初めて削除されるケースも多く、被害が発生した後でなければ対応されない構造が問題視されている。

③ 海外プラットフォームとの法的距離

中国や海外に拠点を置くSNSの場合、台湾当局が捜査協力やデータ提出を求めても、迅速な対応が得られないケースがある。これが被害拡大を防ぎにくい要因となっている。

小紅書停止は「詐欺対策」の象徴的事例

出典:XHSPlus

小紅書は、台湾でも美容・旅行・グルメ分野を中心に高い人気を誇っていた。一方で、当局は同サービスが多数の詐欺案件と関連している点や、セキュリティ・個人情報管理面での不備を問題視した。

その結果、台湾政府は異例とも言えるSNSへのアクセス停止措置に踏み切った。これは、単なる一企業への対応ではなく、「SNSを詐欺の温床にしない」という政府の強い姿勢を示すものと受け止められている。

企業・ブランドにとってのリスクとは

この問題は、一般消費者だけでなく、台湾市場で活動する企業にとっても無関係ではない。

  • 偽アカウントによるブランドなりすまし
  • 正規キャンペーンを装った詐欺投稿
  • インフルエンサー施策が詐欺と誤認されるリスク

特にSNSを活用したマーケティングでは、「信頼性」そのものが資産であるため、詐欺問題が拡大する環境下では、透明性や公式性の示し方がより重要になる。

今後の台湾SNS環境はどうなるのか

参考:株式会社クーシー

台湾政府は今後も、SNSと詐欺の関係に対してより厳格な姿勢を取る可能性が高い。プラットフォーム側に対する管理責任の強化や、利用者保護を目的とした規制が進むことも考えられる。

一方で、完全な規制だけでは問題は解決せず、ユーザー側のリテラシー向上や、企業・プラットフォーム・政府の三者による対策が不可欠である。

まとめ

台湾における「詐欺×SNS」問題は、単なる犯罪の増加ではなく、SNSが社会インフラとして定着したことの裏返しでもある。小紅書のアクセス停止は、その象徴的な出来事にすぎない。
台湾市場を見据える企業にとっては、SNSを「集客ツール」として見るだけでなく、リスク管理と信頼構築の場として捉え直すことが、今後ますます重要になるだろう。

もし次の展開として

  • 「日本企業が台湾でSNS運用する際の詐欺リスク対策」
  • 「インフルエンサー施策で信頼を担保する方法」

などを続編として書きたい場合、構成から一緒に作れます。
TAIWAN LABOの記事として、どこまで実務寄りにしますか?

参考文献

  1. 中央通訊社(CNA)
    〈台灣封鎖小紅書原因與詐騙案件關聯說明〉
    https://www.cna.com.tw/news/asoc/202512040160.aspx
  2. 中央通訊社(CNA)
    〈政府要求電信業者封鎖小紅書 DNS 的說明〉
    https://www.cna.com.tw/news/asoc/202512040369.aspx
  3. Focus Taiwan
    〈Taiwan blocks access to Xiaohongshu over cybersecurity concerns〉
    https://focustaiwan.tw/society/202512060010
  4. Taipei Times
    〈ISPs ordered to block China’s Xiaohongshu〉
    https://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2025/12/05/2003848348
  5. Taipei Times(社説)
    〈Debate grows over Xiaohongshu ban and online freedom〉
    https://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2025/12/08/2003848492
  6. The Straits Times
    〈Taiwan’s Xiaohongshu ban triggers backlash among users〉
    https://www.straitstimes.com/asia/east-asia/nail-designs-food-reviews-are-not-politically-sensitive-taiwanese-users-rail-against-xiaohongshu-ban
  7. Taiwan News
    〈Taiwan bans RedNote for one year over fraud cases〉
    https://www.taiwannews.com.tw/news/6258944
  8. South China Morning Post (SCMP)
    〈Taiwan’s ban on mainland China app RedNote sparks debate〉
    https://www.scmp.com/news/china/politics/article/3335652
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