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台湾のサブスク事情:動画・音楽・食品宅配まで徹底調査

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はじめに

台湾ではスマートフォンの普及率が高く、キャッシュレス決済やECの利用が日常化している。その流れの中で、サブスクリプション(定額制)サービスも生活インフラの一部として急速に浸透している。本記事では、台湾におけるサブスク市場の全体像を整理し、動画・音楽配信、食品宅配を中心に、その特徴と消費者動向を詳しく解説する。

台湾におけるサブスク市場の全体像

台湾のサブスク市場は「利便性」「価格への納得感」「生活への定着度」を軸に成長してきた。特に若年層から30〜40代の都市部居住者を中心に、複数のサブスクを同時に利用することが一般化している。
一方で、日本と比較すると「必要なものだけを選び、不要になればすぐ解約する」という合理的な利用姿勢が強い点が特徴である。無料トライアルやキャンペーンが契約の後押しとなる一方、コンテンツ更新頻度や価格改定には敏感である。

動画配信サブスクの動向

参考:価格ドットコム

台湾の動画配信市場は、海外プラットフォームとローカルサービスが共存する構造となっている。
NetflixやDisney+などのグローバルサービスは、海外ドラマや映画、アニメを中心に強い支持を集めている。一方で、台湾ドラマやバラエティ、中国語コンテンツを重視するユーザー層も多く、ローカル色の強い配信サービスも一定の存在感を保っている。

特徴的なのは「字幕・吹替の質」への評価が高い点である。繁体字中国語字幕の正確さや更新スピードは、継続利用の重要な判断材料となっている。また、家族でのアカウント共有や、テレビ視聴を前提とした利用も多く、リビングでの視聴体験が重視されている。

音楽配信サブスクの利用傾向

音楽配信サブスク 一覧
参考:アプリオ

音楽配信ではSpotify、Apple Music、YouTube Musicなどが主流である。台湾のユーザーは通勤・通学時間が比較的短い一方、カフェや作業中に音楽を流す習慣が根付いており、BGM用途での利用が多い。
また、K-POPや日本のアーティスト、華語ポップスを横断的に聴くユーザーが多く、プレイリスト機能やレコメンド精度が重視される傾向にある。

音楽サブスクは解約率が比較的低く、「一度契約すると長く使い続ける」安定型サービスとして位置づけられている点が特徴である。

食品宅配・フード系サブスクの広がり

台湾では外食文化が非常に発達しており、フードデリバリーはサブスク的な位置づけで利用されている。月額料金を支払うことで配送料が割引・無料になるプランは、日常的にデリバリーを利用する層に支持されている。
共働き世帯や単身世帯を中心に、「自炊の代替」としての価値が高まっている。

また、食品そのものの定期配送よりも、「利便性を買う」サブスクが主流である点は、日本との大きな違いである。価格よりも時間短縮や選択の手間削減が重視される傾向にある。

台湾消費者がサブスクに求める価値

台湾のサブスク利用者が重視するのは以下の三点である。
第一に、価格と内容のバランスである。安さよりも「この金額なら納得できるか」が判断基準となる。
第二に、柔軟な解約・変更のしやすさである。長期縛りは敬遠されやすい。
第三に、SNSや口コミでの評価である。特に若年層は、友人やインフルエンサーの利用体験を参考に契約を決める傾向が強い。

日本企業にとっての示唆

台湾市場でサブスク型サービスを展開する際には、「継続前提」ではなく「試してもらう設計」が重要である。初期導入のハードルを下げ、価値を短期間で実感させることが求められる。
また、繁体字中国語での丁寧なUI・カスタマーサポート、SNSを活用した情報発信は欠かせない要素である。

おわりに

台湾のサブスク事情は、生活に密着した形で成熟しつつある。動画・音楽・食品宅配といった分野では、すでに「あるのが当たり前」の存在となっている。
日本企業が台湾市場に参入する際には、この合理的かつ実利重視のサブスク文化を理解することが成功への鍵となるであろう。

📚 台湾市場・サブスク利用実態

  1. Mastercardによる「台湾消費行動トレンド調査」
    → 台湾人のサブスク利用率やジャンル別契約状況(動画・フードデリバリー・音楽など)についての統計データ。
  2. Statista「Taiwan: SVOD usage frequency」
    → 台湾で動画サブスク(SVOD)の利用頻度についての消費者調査データ。
  3. Statista「Taiwan: number of SVOD subscriptions」
    → 台湾における複数動画配信サービス契約の有無・平均契約数の調査情報。
  4. 2023 Taiwan Internet Report
    → 台湾のインターネット利用者における有料/無料の音声・映像利用率、フードデリバリー使用率に関する統計。
  5. AMPD Research(台湾映像視聴に関するプレスリリース)
    → 台湾のインターネットユーザーにおける動画ストリーミング系SVOD利用者比率、複数サービス契約状況等。
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株式会社maippleのインターン生が台湾のホットトレンドを更新していきます。 現在、台湾の大学に在籍中なので現地から最近のビジネスの動向なども取り上げていきます。

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