台湾で活躍する吉本芸人、漫才ボンボン(漫才少爺)にインタビュー

太田拓郎さん(左)と三木奮さん(右)

台湾済みます芸人,漫才ボンボン(漫才少爺)とは?

吉本所属の太田拓郎さんと三木奮さんによる漫才ボンボン(漫才少爺)は、吉本興業の「住みますアジアプロジェクト」で台湾で活躍している芸人だ。台湾に住んで既に4年半が経過している。現在は、本業の漫才の他に、You Tube、イベントのMCなどを行っている。今回はそんなお二人に、台湾ローカル感あふれる大稻埕で独占取材させていただいた。

早速、漫才ボンボン(漫才少爺)にインタビュー!!

(以下、太田拓郎さんを太田、三木奮さんを三木と記載)

───こんにちは、本日はよろしくお願いします。まず、自己紹介お願いします。

太田・三木:吉本所属、台湾住みます芸人、漫才ボンボンです。よろしくお願いします!

───台湾ではどういった仕事をしているのですか。

太田:中国語で漫才したり、イベントのMCをしたり、台湾と日本の間でうまく回るようなお仕事をさせてもらっています。

───今までやった仕事の中で一楽しかったことは?

太田:難しいな~いろんな仕事やるからそれぞれ違うんですよね。ただ、二人で初めて台湾に来てやった単独ライブは、「全部中国語で二人だけで一個ライブできるようになったんだ!」っていう感慨はありましたね。

三木:僕は、以前、達康.comeっていう台湾の漫才の第一人者のコンビに誘っていただいて、大きな舞台で20公演くらい一緒にやらせてもらったんです。それが一番印象に残っているというか、やりたい形ではあるなって。日本と台湾って、スポーツとか音楽とかいろんな分野で既にコラボってあって。ただお笑いって、まだコラボがないと思うんですよ。翻訳とか字幕つけてのお笑いって果たしてコラボなのか、みたいな部分もありますし。だから、本当の意味でのコラボって自分たちしかできないところなのかな、と思いますし、目指していきたいですね。

───台湾ネタは、どのようなときに思いつくのですか。

三木:ネタは基本僕が作るんです。日本語で作って中国語に翻訳するんです。

言葉って、文化や習慣が色濃く反映されるので、ニュアンスだけや言葉遊びをすると翻訳が難しくなってきてしまう。なので、ネタを考える時間をここからここまでと設けて、あんまり考えすぎないようにしていますね。

太田:やっぱり、お客さん等と話をする場面が多いので、「作る」というよりは、「体験したこと」を覚えておいて、中国語で事前に準備して話すとかが多いですかね。

三木:最近トークショーを始めた理由の一つも、その様に経験を入れやすいからですね。スタンドアップコメディだと中国語のままでできるので。

───中国語だけでなく、台湾語(台語)も使ってますよね!めちゃくちゃ難しいイメージがあるのですがどのように習得したんですか?また、なぜ取り入れようと?

太田:そもそも僕は中国語まっさらで台湾に来たんですよ。それで、台湾の人がまず、ふざけて髒話(スラング)を教えてくれたんですよ。(髒話には台湾語が多い。)

あと身を守るためにも、知っておいたほうがいいと。(その言葉をふざけの場面以外で聞いたら逃げることのできるように。)

三木:で、僕たちが髒話を話したら笑ってくれて。それが最初ですかね。日本でも、外国人の方が関西弁やちょっときつい言い方をしたら親近感や面白さがわくじゃないですか。ボビー・オロゴンさんみたいな。

太田:あとは、つっこみで髒話は、キツすぎて台湾人の方がちょっと引いちゃうので、ボケで使うようにしていますね。

三木:礼儀正しい日本人のイメージと髒話のギャップが面白さを生むんだよね~。

───日本で、日本語の上手な台湾人に間違えられるエピソードや、台湾で「日本人?」と言われなくなったなどのエピソードをYouTubeで拝見しました。現在、日本と台湾どちらに着いたときに「帰ってきた~」という感覚になりますか。

三木・太田:完全に台湾ですね。

太田:そもそも日本に家ないですし(笑)4日くらい日本にいるとホームシックになります(笑)

───2017年のネット記事で太田さん、台湾で婿に行きたい、絶賛彼女募集中だと書かれていたのですが、その後どうですか?(笑)緋聞(ゴシップ)どうですか?(笑)

太田:その後、台湾人の方と付き合った事ありましたよ。緋聞はなかったですけど(笑)

三木:今後、楽しみですね~。(ニヤニヤ)

太田:心がこもってないよ。(笑)

───先日の公演(12/20,21に行われた漫才少爺の大感謝祭)では、納豆と臭豆腐を混ぜて食べていましたが、本当に美味しかったですか?

三木:僕は本当にうまいと思いましたよ~いい感じにまざって、するっと食べられる感じで。ぜひ(笑)

太田:普通にうまいって感じでした。まぁ臭豆腐ダメな人は分からないですが、納豆のほうが勝ってたので。

───漫才ボンボンの台湾おすすめスポット・食べ物は?

太田:ここ(大稻埕) 、おすすめですよ。でもここは…中国語しゃべれなかったら、ちょっときついかもしれないけど。
観光スポットメインで考えるより、食と食の間に行ける所で考えるのがオススメです。

三木:僕は―、東側のほうですかね。台湾自転車で一周したんですけど、交通が不便な分、時間の流れが緩やかで自然がきれい。僕の思う台湾ってこっち側だなって思うんですよね。自転車で回ってるときに、地元のおばちゃんとのおしゃべりもあったりして。
───もし、芸人をしていなかったら日本では?台湾では?

三木:僕はガイドさんですかね。中国語と日本語使えて、双方の文化を紹介出来て。

太田:ガイドもそうですし、あとは日本語教師!言語交換で日本語教える機会があったんですけど、教える日本語とか分からなくて、日本語勉強している台湾人に逆に教えてもらってました。(笑)けれど、ニュアンスの違いとか、僕たちは職業柄、演じたり、言葉を表現したりすることが出来るので、そういう時に面白いなって思いますね。

───今後の目標をお願いします。

太田:最初何も分からなくてしんどいところから、今四年半経って、いろんな事を楽しみながら出来ることの幅がどんどん広がっていると感じています。日本も台湾も大好きだし、双方でプロとして仕事をしているので、これからも自分に嘘をつかず、正直に、楽しみながら真剣に。そうして、いろいろな仕事を続けていけたら、やれることも増えていくのかなっと思います。

三木:僕は、とりあえず5年間、自分たちが何が出来るかっていうキャパを見極めて広げていって。来年(2020)は台北以外の場所で単独ライブをしたい。で、これを少しずつ少しずつ中華圏であったり、いろんなところに、もちろん日本もですけど、広めていけたらなっと。あっとは、相方の言うように、自分たちの核をしっかり持って、夢は大きく焦らずやっていけたらな、っと。

太田:好きじゃないことをやっても、好きな人には勝てないからね。

三木:うんうん。

───ありがとうございました!

台湾ボンボン(漫才少爺)のオフィシャルFacebook:

https://www.facebook.com/mancaishaoye/

台湾ボンボン(漫才少爺)YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCq8_9hMnFx8xBLyIpeBSJPQ

日本から台湾へ、台北から中華圏へ!日々進化している漫才ボンボンへ期待

まず、お忙しい中、取材に応じてくださった漫才ボンボンのお二人に感謝である。どの質問にも熱心に答えてくださり、全部掲載できないのがとても惜しいくらいだ。約1時間半にわたる取材で、彼らがどれほど台湾と日本の間に立つ芸人として真摯に活動しているのかがよく分かった。実は、12月20日に行われた公演を拝見したのだが、会場にいる台湾人のお客さんも、私たち日本人も笑いが止まらない時間であった。文化と言葉の違いを日々研究して、文化と言語の壁をまたいでいる彼らの今後の活躍にも要注目である。

ライター:駒田優希

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