近年地球温暖化など環境問題が世界的に問題になっており、国連などでも大きく取り上げられている議題である。環境汚染をもたらすプラスチックストローの使用を止めようと台湾が今年7月から完全廃止した。今回は台湾のリサイクル事情ともに台湾のエコ事情を紹介する。
台湾はリサイクルの先進国?
台湾では自然エネルギーが不足しており、土地と資源が不足していることから埋め立て地を見つけるのが難しく、台湾は廃棄物を減らすための資源回収システムの開発を余儀なくされている。そのため環境保護庁は1997年以来、「リサイクル4in1計画」を推進しており、現在では年間200億のビジネスチャンスがあり、8,000人の雇用が創出されている。長年の推進により、台湾の資源回収率は2018年には53.28%に達しこの数字は世界でトップである。そもそもリサイクルは新しい概念ではないが、長年にわたる概念と政策の実施により、台湾の廃棄物リサイクル率は世界最高レベルにランクされている。
台湾の資源リサイクル効率は世界で2番目、ドイツに次いでいる。台湾人は1日に平均0.4キログラムの廃棄物を生み出しているが、これは現在の世界平均である1.2キログラムよりはるかに少なく、20年前の1.14キログラムと比べてもはるかに少ない。台湾の埋め立て地は総廃棄物の2%未満を占めており、以前の埋め立て地は現在、公園やコミュニティセンターへの転換に成功。台湾の産業廃棄物リサイクル率は80%と高く、資源リサイクル業界は驚くべき速度で成長しており、この10年で登録リサイクル会社の数は100から2,000社に成長した。
台湾のエコ事情
実際に台湾では政府が積極的にこういった環境対策に力を入れている。台湾で生活していると日常生活からエコ対策を感じることができる。例えば台湾では2002年からプラスチックの使用を禁じ始め、2030年までに台湾で使い捨てプラスチックを全廃止することが決定している。
今年2019年7月から百貨店、ファストフード店、ドリンクスタンドの店内では本格的に使い捨てプラスチックの提供を禁止。実際にスターバックスやマクドナルドではストローの提供がされず、消費者にはカップに口を直接つけて飲むことが推奨されている。タピオカなどカップの底に溜まってしまう飲料などに関しては未だプラスチックストローで対応しているが、タピオカミルクティーの発祥地である春水堂では紙ストローに切り替えている。
現段階では、使い捨てストローを使わないことを習慣づけるために、今回の対策は店内での飲食の場合だけプラスチックストローを禁止しているが、今後はテイクアウトの場合もプラスチックストロー禁止令が適応される予定だ。
台湾における年間ストローの消費量
現在台湾では年間30億本のストローが消費されている。しかし店内でのプラスチックストロー禁止令が出てからは約1億本のストローが削減できると言われている。飲食店がプラスチックストローを廃止する活動が行われているが、それに後押しされるかのように、マイストローの存在が台湾では大きくなり現在流行っている。
台湾ではマイストローが流行している?
最近台湾では環境意識の高まりから再生可能なマイストローが注目されている。台湾のスーパーマーケットや百貨店を覘くと、使い捨てではないプラスチックストローや金属製のストロー、竹製のストロー等の取り扱い数が増加している。
台湾ならではの商品!タピオカ専用タンブラーとは
タピオカミルクティーを飲むためにはストローが必要であり、もしストローを使わないとカップの底にタピオカが沈んでしまうという問題が発生する。しかし最近そんな悩みを解決するリサイクルガラスを台湾の2人の学生が発明したことが話題になっている。彼らは「FLOAT」と呼ばれるリサイクルガラスを発売し、タピオカがカップの底に沈むという問題を解決し、今年の新世代ゴールデンポイントルーキーデザイン賞の産学連携部門で金メダルを獲得した。
これはストローを必要としない手回しカップである他、新世代のデザインであると高評価を獲得し海外メディアの注目を集め、現在は特許を申請中。今後商品化されるであろう。
日本市場での可能性
台湾ではマイストローが話題になっているが、こういった
新しいカップが出てたらエコで地球に優しい、台湾ならではの商品ではないだろうか。今、日本ではタピオカブームが続いているが、マイストローなど台湾オリジナル商品はタピオカブームの次に来るのではないだろうか。台湾のドリンク市場は今や日本や世界でも人気があるので今後日本でもこういった台湾ならではの商品が日本で増加するのではないだろうか。
ライター:富永千尋