台湾のスポーツ用品産市場が好調
台湾経済部の統計局によると、今年上半期のスポーツ用品の産業価値が歴代同時期の記録を塗り替える高さになったことが分かった。実は、台湾は運動としてのスポーツ以外にもファッションとしてのスポーツも多く見受けられる。そのような台湾のスポーツ用品市場の好調とはどのような事なのか、以下で紹介する。
成長し続ける台湾のスポーツ用品の生産額
世界でのスポーツ志向やフィットネス器具の需要の増加に伴い、台湾のスポーツ用品生産額も年々成長の一途を辿っている。2018年には470億元まで成長し、前年に比べ8.2%増加、今年に至っては、上半期だけで前年比15.3%増加で242億に達した。この数字は、歴代同時期の最高記録で、年間生産額は500億元の壁を超えると予測されている。
室内フィットネス器具輸出がスポーツ用品業績成長のカギ
台湾のスポーツ用品の生産は早期からゴルフ用品がメインであったが、近年の産業のモデルチェンジにより、室内フィットネス器具が多くなり、2018年には47.6%を占めた。
また、今年の上半期は、国際的に知名度の高いリゾートホテルや大型チェーンのフィットネスクラブ市場の開拓が成功し、生産額は119億元で歴代同時期の中で最も高く、去年に比べ34.5%増しであった。また、ゴルフ用品は23.6%で、今年上半期の生産額は前年に比べ9.7%増しであった。2種の製品ともほぼ輸出に向かい、直接輸出率は9割以上に達した。
(上グラフ オレンジ:室内フィットネス器具、紫:ゴルフ用品、黄緑:そのほか、水色:釣り用品、ピンク:バトミントン)
輸出金額も年々増加
近年の台湾のスポーツ用品輸出は、2015-2016の世界の景気の低迷にと共にするやかに落ち込んだのを除いて、緩やかに安定成長し続けている。2019年上半期はアメリカへの室内フィットネス器具などの製品の輸出が大幅に増えたため、去年の同時期に比べ14.4%成長しており、ここ9年間で最大の成長幅である。以下は、台湾のスポーツ用品輸出金額と年間成長率のグラフである。
輸出先の国の内訳を見てみると、今年の上半期はアメリカが全体の50%を占め、次に中国大陸が8.7%、日本が8.6%と続いている。
(下グラフ ピンク:アメリカ、緑:中国、水色:日本、オレンジ:イギリス、赤:オランダ、黄緑:ドイツ、灰色:その他)
室内フィットネス器具の需要増加がカギ
実は台湾内での需要というよりも、海外輸出の増加によって、ここ数年好調に向かってることが明らかになった。しかし、その数字よりも影響力があるのは、室内フィットネス器具需要の増加という点であろう。今まで大半を占めていたゴルフ用品は、フィットネス器具に比べ種類が少なく、購入者の幅も狭い。それに比べて、室内フィットネス器具は、自宅用やジム用などの購入者の幅も、器具の単価の幅も幅広い。より多くの商機に恵まれているといえるであろう。
ライター:駒田優希