日本における台湾C-POP音楽事情

日本での台湾発C-POP音楽の立ち位置が変化している

ここ数年日本でのC-POP人気のあり方が大きく変わっている。以前は、C-POPのファンというと、中華圏に住んで居た、留学していた等の直接的な関係がある人が多くを占めていて、日本にいる場合、自ら積極的に情報を集めなければ触れる機会がほとんどなかった。しかし最近は、日本でも「意識しないで」C-POPに触れる機会が増えている。また、ファン層にも変化が現れている。

具体的にどういうことなのか、今回は台湾発のC-POP音楽の視点から紹介していく。

ドラマ発から音楽単体のライブへ

以前は、日本における台湾のC-POP音楽のというと、羅志祥や飛輪海、楊丞琳など俳優と歌手マルチに活躍する芸能人の人気が中心であった。台湾でヒットしたドラマが日本に輸入され、そのドラマからマルチな芸能人や、ドラマ内使用楽曲のファンになるケースが多かった。よって、日本で行われるライブの多くがファンミーティングを兼ねたもので、ファンは、トーク、キャラクター、音楽を含めた「多才な彼らに会いに行く」要素が強いものだった。

しかし、ここ数年、「生の音楽を楽しみに行く」要素の強いライブの機会が増えている。つまり、音楽というジャンル単体のライブである。例えば、夏の定番音楽フェス、サマーソニックには2011年以降は毎年2組以上の台湾歌手が出演している。他にも、台ワンダフル、台湾フェスタ等の台湾関連のイベントが増加し、台湾の歌手が日本でステージに立つ機会が増えている。

そして注目すべきは、台湾のC-POP歌手の日本でのワンマン、ツーマンライブが盛り上がりつつある点である。今年2019年は、5月に行われた五月天の大阪城ホールのライブをはじめ、宇宙人、八三夭、盧廣仲、呂思緯&蕭秉治、DSPSなどが、2018年も五月天、宇宙人、盧廣仲、謝和弦など多くの歌手がホールやライブハウスでのライブを行っている。

台湾のモンスターバンド五月天(MAYDAY)の日本活動から考える

中華圏に問わず世界各国の老若男女をファンに持つ台湾のモンスターバンド五月天(MAYDAY)は、日本でのライブも定期的に行っている。日本でのワンマンライブは2014年の大阪のNAMBA Hatchと東京のZEPP TOKYOが初めてであったが、次の年(2015)には、ロックの聖地、東京武道館で2daysライブを行っている。そして、今年(2019)には、大阪城ホールでの2daysを成功させている。ここで、五月天(MAYDAY)の日本公演の軌跡と会場の収容人数を見てみよう。

もちろん、FaceBookフォロワー200万超え、YouTubeのMV再生回数9700万超えの人気バンドという元々のファンの数を考えれば、大阪城ホールや武道館という収容規模はあたりまえ(むしろ小さい)かもしれないが、「日本でアジアの海外バンドが」ということを考えると、規模もスピードも「すごい」ということがよくわかる。

そして、彼らの日本での活動のさらに「すごい」ところは、日本人のファンとそれ以外のファン(主に中華圏のファン)のどちらをもターゲットにしている点である。

今年4月に大阪城ホールで行われたライブでは、「桜の観ることができる季節に」「ファンに待ち時間等も楽しんでもらえるように」という話をしていたが、実際の日付は、中華圏での3連休とかぶっており、この「ファン」という言葉には、海外から来る所謂「中華圏のファン」の存在を大きく視野に入れたものだということがよく分かる。

さらに、2019年9月16日にYouTube上で公開された大人気歌手、周杰倫 (Jay Chou)とボーカル阿信との新曲「說好不哭 Won’t Cry」のMVの舞台が東京で、20日現在、再生回数は1400万回を超えている。また、楽曲やコラボだけでなく、主演女優に人気モデル三吉彩花、俳優に渡邊圭祐を起用し、話題になっている。

彼らは音楽を通じて、日台双方の文化や流行に触れる機会を創出しているといっても過言ではないだろう。

日台双方の留学生の増加も大きな要因

一般的に英語が使われている洋楽は、海外発の音楽として日本人である私たちが触れやすい。しかし、所謂「中国語」で歌われている事の多いC-POPに触れる機会の増加として考えられる要因は何か。大きな理由の一つとして、日台双方での留学生の増加が考えられる。

文部科学省による「『外国人留学生在籍状況調査』及び『日本人の海外留学者数』等について」によると、台湾から日本への留学生数は、2017年に8,947人、2018年に9,524人と1年で500人規模で増加している。一方、日本から台湾への留学生も2015年6,319人、2016年7,548人と1000人規模で増加しているのがわかる。

さらに、日本も台湾もカラオケを楽しむ文化がある。しばしばポップカルチャーの中心を担っているとされている若者の交流の機会が増えれば、必然的に相手の地域の音楽を聴く機会も増えるであろう。

少しずつではあるがC-POP音楽市場拡大の可能性は大きい

言語の壁というものが存在する以上、タピオカ等のように勢いよくブームになるのは難しいが、確実に日本におけるC-POP音楽の可能性はあると考えられる。

2019年内にもまだ、10月に宇宙人の仙台でのライブ、12月に盧廣仲の東京ライブなど様々な機会が残っている。今後も要注目だ。

ライター:駒田優希

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