台湾のドラックストア市場を紹介

どこにでもドラックストアがある台湾

台北の町を歩いていると、至る所にドラックストアを見かける。東京と同じくらい、もしかするとそれ以上の感覚である。今回は、それほど台湾の街に溶け込んでいるドラックストアとその市場について紹介する。

台湾のドラックストア

台湾のドラックストアは、チェーン店とそうでない店が存在するが、今回はチェーン店を紹介する。日本のドラックストアというと、薬、生活用品、化粧品が並んでいるが、台湾のドラックストアは、化粧品関係のブースが多い印象がある。また、日本と全く異なるのは、コンタクトレンズが売られている点である。

(台湾のコンタクトについては、こちらで紹介。)

康是美(cosmed)

オレンジ色の看板が印象的な康是美。ブランド名から想像できるようにメインの商品は化粧品。取り扱うブランドは、地元台湾のブランドから、韓国、日本など様々である。

屈臣氏(watosons)

ブランド自体は香港のドラックストアブランドであるが、台湾でかなり普及している。

康是美よりは、日用品が多めである。

日薬本舗

一見日本のブランドに見えるが、台湾のブランドである日薬本舗。

日本の商品をオリジナルのまま輸入して販売している。化粧品や日用品だけでなく、お菓子なども多くそろえている。

出典:日藥本舗FaceBook

台湾に進出している日本のドラックストア

ここで、台湾進出している日本のドラックストアを紹介しておく。

Tomod’sトモズ

日本の首都圏を中心に160店舗ほど展開しているドラックストアである。台湾には2012年に正式に進出した。台湾には、独自のブランドの「APS」もオリジナルのまま日本から輸入販売している。

マツモトキヨシ

日本に約1600店舗あるマツモトキヨシ。台湾には現在、台北に4店舗、台中に1店舗を構える。自社ブランドの販売にも力を入れている。

サツドラ

北海道を中心に日本全国で200店舗ほどあるドラックストア。台湾には、2017年に台中麗寶アウトレットモール内にオープンし、現在台湾には4店舗ほど存在する。

台湾のドラックストア市場は持続成長中。

出典:經濟部統計處

経済部統計局によると、台湾で化粧品、薬品関係の小売業売上高は持続成長している。(上図の右グラフ参照)理由として、生活水準が上昇し、美容に関する需要が高くなった点と高齢化社会になり、健康食品や医療用品の需要が高くなった点を挙げている。

医薬品・化粧品の売上高のここ10年の平均成長率はなんと2.9%である。2018年の1-11月の売上高は1919億元で、過去の同時期の最高売上高を更新した。

また、2018年の調査によると、売上高の内訳で首位を占めるのは51.1%の化粧品・スキンケア用品である。次に、薬品や医療用品、食品類、その他の商品と続く。(上図左のグラフ参照)

台湾と日本のブランドの2大勢力

売上高の継続成長に伴い、台湾での薬品・化粧品市場競争が激しくなっている。また、日本のブランド参入の影響力が大きいという考えも存在する。具体的には、先ほど紹介したようなTomod’sやマツモトキヨシ、サツドラ等の日本の小売店の流入・増加である。日本の商品やブランドが百貨店だけに収まらず、MRT(地下鉄)の駅構内や東区、西門町のような常に人がいる人気の場所に店舗を次々に展開している。また、これらの場所は、地元の人間だけでなく、観光客も多くいる場所であるため地元ブランドに与える影響が大きいという見方である。差異化の経営モデルが近い将来の課題であるとしている。

確かに、日本のドラックストアは、「日本」という付加価値を全面的に押し出すことができ、自社ブランド商品の存在も大きい。しかし、多くの店舗を持ち、台湾人の生活に溶け込んでいる地元ブランドでも日本製品は購入できる。また、近年、化粧品においては、日本と同様韓国ブランドの勢いが台湾にも存在する。

地元ブランドのドラックストアだけでなく、日本ブランドのドラックストアも「差異化の経営モデル」について課題があると考えられる。

ライター:駒田優希

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