コンビニエンスストアは日本人にとって必要不可欠な存在となっている。海外へ行くとコンビニエンスストアを見つけて安心感を抱くくらい身近な便利な店ではないだろうか。そんなコンビニエンスストアであるが、実は台湾におけるコンビニエンスストアの数は日本のコンビニエンスストアの数より多い。台湾のコンビニエンスストアは人口比でみると世界一だ。そんな台湾のコンビニエンスストアでは何が売れているのか、台湾のコンビニエンスストア市場について展開する。
台湾のコンビニエンスストア密集度
台湾の経済部統計局が発表した情報によると、台湾のコンビニエンスストアの数は年々増加しており、2011年末には4つのコンビニエンスストア(セブンイレブン、Family Mart、萊爾富ハイフル、OKマート)が9,739店。2019年5月末のコンビニエンスストアの店舗総数は11,105店に達し、2018年末と比較して239増加。その中で、セブンイレブンは最大数の店舗を展示し、ほぼ50%を占めていた。
強度に関しては、2018年の台湾のコンビニエンスストアは1店舗あたり平均2,148人に対し、日本のコンビニエンスストアは1店舗あたり平均2,235人であった。台湾のコンビニエンスストアが非常に集中していることは明らかである。しかし、2012年以降、台湾と日本のコンビニエンスストアの集中度は韓国よりも低く、韓国のコンビニエンスストアの密度は世界で最も高くなっている。
また、コンビニエンスストア全体の売上は3,173億台湾ドル(約1兆1500億円)。日本の10兆9646億円と比べると小さくが台湾と日本の物価の違いを考慮すると、台湾のコンビニエンスストアはまだ伸び代を残しているように感じる。
台湾のコンビニで人気な商品は?
台湾のコンビニエンスストアは日本のコンビニエンスストアと似ているが、異なる点は「茶卵」と「サツマイモ」である。最も直感的な違いは、店に入るときに匂いがすることである。台湾のコンビニエンスストアには、日本のコンビニエンスストアにはない匂いがある。においの元である茶卵。
台湾に住んでいる人がコンビニエンスストアで煮卵の匂いを嗅ぐことはすでに習慣になっているが、日本人が日本のコンビニエンスストアでこの匂いを日本のコンビニで嗅いだとしたら驚くであろう。日本のコンビニエンスストアは臭いはなく、食品はほぼ全て包装される。肉まん、ソーセージ、その他の食品も販売されていて、それらはすべて容器に密封されているため、臭いは放出されないため、コンビニエンスストアは清潔であると見なされている 。
この煮卵は台湾人が愛する国民食のひとつであり、コンビニエンスストアで人気がある。
2016年にファミリーマートが実施した統計によると、朝夕の3食にかかわらず、煮卵と焼き芋は「食品」カテゴリのセールスチャンピオンでそうだ。茶卵は年間4,000万個近く売れている。そして焼き芋も人気があり年間1,700万売れている。
日本にはない台湾人にあった食品が人気ということだろうか。
台湾のコンビニエンスストアのこれから
市場の大きさ自体はこれからも伸びて行く可能性が高い。日本人のコンビニエンスストアはスーパーマーケットよりも価格が割高だが、台湾ではコンビニエンスストアに限らず、2個購入すると割引、1個購入すると1個プレゼント等というような割引キャンペーンがよく行われているため、スーパーマーケットで購入するよりコンビニエンスストアで同じ商品を購入したほうが安いことがよくある。
そのため、コンビニエンスストアに買いに行く人は非常に多い。日本ではなかなかないキャンペーンが面白い。台湾では日本文化は広まっているが、その国らしさ、外国要素や自己進化が組み込まれるので、今後も台湾と日本の文化の違いに目が離せない。
ライター:富永千尋