近年、様々なものがAI化されている。遊園地、リゾート地での自動運転は至るところで目にするようになったのではないだろうか。また、ゲートを通る際には個人情報が搭載されたIDやICカードをかざしていた。2019年3月には、今まで窓口確認や指紋認証だった成田国際空港の税関検査場が顔認証でスムーズにゲートを通れるようになった。以上のように最近では顔認証システム化が進んでおり、カードレスの時代に突入しつつある。
今回はそんな顔認証システムが台湾ではどれほど進んでいるのか紹介する。
顔認証市場について
顔認証市場は最近注目されている。現在、世界中の政府が顔認証テクノロジーに膨大な投資しているし、顔認証システムは政府、ビジネス、金融、消費者分野等での応用により近年の出現している。世界顔認証市場規模は年々増加し続けており、2016年3,040百万米ドル、2017年4,050百万米ドル、2018年4,510百万米ドルであった。そして2024年には9,060百万米ドルにまで上昇するのではないかと予測されている。2019-2024年の*CAGR(年平均成長率)は12.5%の伸び率と言われている。市場価値の爆発的な成長から顔認証は世界主流と言われている。
顔認証業界が世界でホットな話題であることは株価からも読み取れる。顔認証関連企業の株がここ近年で増加しているのである。これは世界で需要が拡大している証拠である。以上のグラフと表は日本電気NECの2019年5月24日現在と2年前2017年5月24日の株価である。
台湾の顔認証市場のキーパーソンは日本? NECの顔認証システム
日本には世界ナンバー1を誇るNECの顔認証システムがある。NECの顔認証技術は世界トップクラスであり、4年連続1位獲得している。中でもNECの顔認証エンジンである「NeoFace」は台湾顔認証市場では欠かせない存在なのだ。このシステム導入が台湾の企業で進んでいる。
台湾の顔認証システムの実態
台湾ではNECのシステムであるNEOFACEが主に使用されている。その中でも台湾国内に約140店の拠点を展開している玉山銀行は世界で初めてATMに顔認証システムを搭載した企業である。顔とパスワードで現金が引き出せる仕組みだが、写真画像でなりすまし防止技術も完備されている。現在は台湾の5ヶ所(玉山銀行営業部、城中支店、玉山テックビル、玉山希望ビル、台湾カルフール本社ビル)でこのATMが活用されている。顔認証システムの開発、技術に強い日本でさえ未だにこのような事例がない中で台湾は始めているのはとても素晴らしいことであり、世界中が注目した話題である。
日本でお馴染みのセブンイレブン、台湾では無人コンビニX-storeで顔認証システムを搭載している。
決済は同グループの電子マネー「i cash2.0」のみだが、顔認証を使ったPOSシステムなので至って簡単である。店内に設置されている端末であらかじめ登録していた本人確認と顔撮影を行えば、誰でも利用することができる。このシステムを搭載することで、“Face in、Face pay、Face go”(顔認証で入店し、支払い、店を出る)という利用者の新しい購買フローを実現。現在は台北市内に2店舗オープンしているが、1店舗目が一般オープンした時、3週間で3,000人以上の利用があったようだ。
喜門史塔雷克は、まだ一般利用を開始していないが今年2019年3月に台湾で行われた2019 Smart city summit & expoでNECのNEOFACEで自動運転のミニバスに顔認証システム搭載することを発表した。NEOFACEはクレジットカードと組み合わせてAPP(アプリケーション)またはSMSを通じて個人アカウントを構築し、現金、カード、携帯電話ではなく顔で支払いができるようにするようだ。そして私達はまもなくスマートモビリティの利便性を体験することができる。
台湾の顔認証はどうなるのだろう
以上で述べたように台湾は世界初のATM顔認証化をスタートし、あらゆるものが顔認証化している。日本では今年の秋からセブン銀行がコンビニに設置しているATM25,000台を顔認証で口座開設ができるようにするそうだ。日本も2020年のオリンピックに向け、様々なものが顔認証化されていくことでしょう。しかし台湾もまた日本と比べても大佐がないくらい先進国であることは間違いない。今後日本のシステムと組み合わせてどんなシステムが誕生するのか、台湾の発展にますます期待したい。
ライター:富永千尋