台湾で今、オーガニックブームが起きている。でも台湾だけではなく世界中でオーガニックブーム、健康志向が続いている。そんなオーガニックブームであるが、台湾ではアメリカと同じように現在絶賛オーガニックブームが起きている。今回はその台湾のオーガニックブームについて展開する。
世界のオーガニックブームについて
近年の健康への関心の高まり、農薬散布による環境破壊への懸念、そして食の健康被害に対する危機意識の向上などは、無添加・無農薬食品のニーズを高めてきた。今年、世界市場における健康食品の売り上げは1兆米ドルに達すると見込まれており、オーガニック農産物の市場規模だけでも2000億ドルを超えるという予測がある。アメリカでは2018年からオーガニックブームが続いているのに対し日本はオーガニック普及率0.2%とも言われている。
もともとオーガニックブームは自然食派、健康志向が強い一部の人の間で起きていたが、近年オーガニックに興味関心を持つ人が増加している。それは人々の意識の変化によるものが1番大きい要因と考えられる。世界が抱える環境問題の深刻さから新しいライフスタイルを求めている人の割合が高まっていることが挙げられる。その裏付けとして国連が掲げてる2030年までに達成すべく持続可能な開発問題17(SDGs)の中には環境を良くする項目があるため、企業がCSRを強化したり、強化せざる得ない状況が絡んでいるのかもしれない。CSRを行うことで企業価値が向上したりとメリットは大きい。
台湾のオーガニックブームについて
食への安全に関する関心が高まっている台湾。2014年から2015年の経済的不安定な時時代に、オーガニック食品の販売と需要はこの傾向に反して増加し再び上昇傾向を示した。この推進力は、主により健康的でより自然な生産方法と全体的なフレーバーの強化に対する消費者の欲求によって推進されていると考えられる。
台湾のオーガニックと政府の関連性
実は台湾では有機農業促進法(有機農業促進法)が今年5月30日から施行され、農業開発の新しい段階に入った。この法律は、水と土壌、環境、生物多様性、動物福祉、および消費者の利益を保護することを目的としている。また、環境に優しい持続可能な資源の使用を促進するための法的基盤も提供する。農業評議会(COA)の陳吉仲大臣によると、政府は、エコ農業への移行を計画している生産者に対して、1haあたり3万〜8万台湾ドル(約10万〜28万円)の補助金を提供しているのだ。その他のサポートには、機械やオーガニック肥料の提供、およびオーガニック農業に公有財産を使用するための40%の控除レンタル料が含まれている。また政府は、学校、軍隊および公的機関から始め、オーガニック農産物の消費増加を推進。さらに、COAの下に新しいユニットが設立され、オーガニック教育の推進、現場の専門家の養成、および農家のマーケティング支援を含むプログラムをさらに実施する。
2017年3月までは台湾には約770,000人の農家、3,000人のオーガニック農家があり、全農家の0.3%を占めていた。台湾の耕地面積は790,000haで、そのうちオーガニック農業面積は6,939ha。人と耕作地の数は過去と比較して年々増加している。
台湾のオーガニック農家の世界数と農家面積
実際に2018年の米農家の平均農家面積は6.14haであり、1農家当たりの平均補助金は約60万円〜170万円となる。これが高いのか低いのかは一概には言えないが、少なくとも日本と比べると政府が積極的であることがうかがえる。
オーガニックスーパーマーケット
現在ではハイパーマーケットやスーパーマーケットで見ることができる。農産物の数字は、オーガニック農産物が台湾で市場の需要を持っていることを示す。この流行の中で、オーガニックチェーン店も最近爆発的な成長を遂げている。商業開発研究所の統計によると、台湾のオーガニックチェーン店の数は2013年から2015年にかけて496も急速に増加している。 里仁、聖德科斯、棉花田など605社は、直販または提携手段を通じて市場シェアを拡大し続けており、中国と米国のオーガニック市場への大規模参入を排除していない。
データによると、「地球の活力を回復する」というコンセプトを確立した 里仁は、現在台湾最大のオーガニックスーパーマーケットのチェーン店。農家にオーガニック農業への切り替えを積極的に奨励することに加えて、農薬や肥料の使用を避けている。
また台湾ではよくオーガニックマーケットがいろんなところで開催されているため、行きたい希望曜日や場所をTAIWAN ORGANIC INFORMATION POTALの有機農夫市集でチェックすることができる。
これからは?
台湾では健康志向が強く、最近ではお洒落なオーガニックスーパーマーケットも増えていて、GREEN&SAFEや天和鮮物、神農市場窓は地元の人だけでなく観光客も足を運ぶので今後大注目なオーガニックスーパーだ。世界で注目を集めているオーガニックブームだからこそ観光客すらも巻き込むオーガニックブームには台湾でもまだまだ成長が見込める産業だ。日本ではまだまだオーガニックはビジネスとして捉えられていないように感じるからこそ、台湾市場のオーガニック産業は立派なビジネスの場は大きいように感じる。
ライター:富永千尋