台湾におけるコスメ市場規模
2017年グローバル化粧品市場は314,000百万米ドルに対し、台湾国内コスメ市場は3,230百万米ドルである。全体のわずか1%に過ぎないが、台湾国内市場は徐々に成長している。
コスメ市場の発展状況
2017年の輸入額は1,400百万米ドルであり、輸入国のシェア率トップ5は日本、フランス、アメリカ、韓国、中国の順であった。2012年と2017年をシェア率で比較すると韓国以外は減少している。しかし輸入額で比較すると、フランス、アメリカ、中国の輸入額は減少しているのに対し、韓国と日本のみ増加しているのがわかる。特に近年 台湾ではK-beautyが流行っているため台湾のドラックストアには韓国コスメが多く並んでいる。
輸入品の中で最も高い割合なのがスキンケア(52.4%)である。次に高いのはカラーメーキャップ(17.4%)であり、主に日本と韓国からの輸入されている。ヘアカラー(8.7%)は主にアメリカから、そして輸入国シェア率2位のフランスからは主に香水が輸入されている。
台湾コスメ市場の輸出面は、過去4年間における平均輸出額は600百万米ドルを超えて、2017年台湾の化粧品ブランド(スキンケア&カラーメーキャップ)の輸出額は730百万米ドルを超えた。これは前年度の650百万米ドルと比較して13.2%の伸び率であると台湾の経済省(ministry of economics affairs)は発表。2018年の台湾輸出額は832百万米ドルであり、前年比にくらべて11.33%の伸び率。この額はアウトバウンド全体の売上高成長率5.9%を上回った。台湾の最大輸出市場は中国本土と香港であり、全体の56.3%を占める。この業界で過去3年間で13.32%以上の成長。
台湾メイクのトレンド
台湾コスメ市場において、欠かせない存在であるインフルエンサーたちの間で韓国メイクが流行っていることからK-beautyが続いている。台湾最大のコスメ・美容総合サイトであるUrcosmeでは現在のカラーメーキャップのトレンドは血色感、パープルのチーク、ツヤ感の3つがキーワードであった。
また、アンチエイジング、美白、フェイシャルマスクの3つも台湾市場では欠かせないポイントである。高齢化が進んでいることからアンチエイジング効果のあるスキンケアや若さを演出できるカラーメーキャップを求めている人が増加している。
台湾は亜熱帯気候であり紫外線が強いことから美白効果のある商品も人気である。
台湾インバウンド状況からお土産需要としてフェイシャルマスクが好調。台湾のコスメ市場には欠かせないものである。
台湾コスメ市場の売上ランキングでTOP100で、上位3プレイヤーは日本企業の資生堂、フランス企業のロレアルパリ、アメリカのP&Gと外資系であり、この3企業が全体の30%の売上を占めている。消費者は依然として海外のブランドを好む傾向がある。しかし台湾コスメと言えば我的美麗日記、克麗緹娜、DR.WU、この3ブランドがランクインしている。どれもスキンケアが強いブランドであることから、台湾ではスキンケアの需要が高い。
台湾の今後の可能性
昨年9月に台北で行われたTaiwan Beauty International Show 2018で中華民国対外貿易発展協会のWaltet M. S. Yeh President & CEOは
『お土産需要に火がつき、シートマスクが好調だが、アジアのコスメ市場は伸び盛りだから、台湾の化粧品産業のグローバル化をもっと進めていきたい。美容と医療を組み合わせた台湾らしい特徴をつくり、国際的に重要な立場になれるように発展させていく」と述べた。
今後は台湾の国際進出が見込まれるであろう。
また、台湾における外資系コスメのニーズがものすごく高いことから、日本企業による台湾進出もどんどん広がっていくだろう。
https://kokusaishogyo-online.jp/2018/09/8909 (引用文)
ライター:富永千尋