日本のブランドが台頭?!台湾のファストファッション事情

台湾で展開しているファストファッションブランド

今年の春、アメリカのファストファッションブランドのフォーエバー21が台湾と中国大陸から完全撤退したというニュースが話題になった。あまりにも身近にある有名ブランドの相次ぐ撤退・閉店のニュースはインパクトがあり、記憶に新しい人も多いであろう。

年々厳しくなっているというファストファッション業界だが、まだまだ活躍しているブランドもある。今回は、台湾でのファストファッションブランド事情を紹介する。

現在台湾に出店しているファストファッションブランドで有名なものを以下のリストにまとめた。

現在、圧倒的な店舗数なのは、台湾ブランドのNETであるが、海外ブランドで首位につけているのはUNIQLOであることがわかる。

続いて、圧倒的店舗数を誇る台湾ファストファッションブランドNETと勢いのあるUNIQLOに焦点を当てていく。

台湾のファストファッションブランド:NET

NETとは、1991年に創立し、1993年に南京東路に1号店を構えた台湾のファストファッションブランドである。現在台湾全土に100店舗以上存在する。レディース、メンズ、キッズ、ベイビーと対象ラインが幅広く、さらにオフィスカジュアルからルームウェアや小物類まで揃っている。

値段は、H&Mやユニクロなどの他のファストファッションブランドと大して変わらない。台湾にしか店舗が無いにもかかわらず多くの商品が日本人の好みに合うようで、観光客や台湾好きの日本人の中では、そこそこ人気があるようだ。

自身も、南京二店に足を運んでみたが、日曜の夕方に15分ほどの滞在にもかかわらず、3組の日本人に遭遇した。

勢いに乗っているのは日本ブランド

なんと、地元ブランドNETやおしゃれなデザイン性で人気のZARAなどのブランドを抑えて、台湾で勢いに乗っているのがFirst Retailing社のUNIQLO、GU両ブランドである。現在、ZARAやH&M、GAPが店舗展開を緩めているにもかかわらず、GUは今年の秋までに200坪以上の4店舗を新展開、さらにUNIQLOは台北の一等地信義區の商業施設ATT4FUNに信義2店を出店することが今春に伝えられている。

さらに2019.4の時点で、GUの公式ライン登録者は600数十万人を超え、2018.4から開始したUNIQLOのアプリ会員数は、約1年後の2019.4には1200万人を超えた。

また、ネット上の話題数でも、圧倒的に他のブランドを引き離しているのが以下のグラフで見て取れる。

出典:smart M

AIを用いてネット上の数字を分析する台湾のメディアi-Buzz Researchの調査によると、UNIQLOの商品は、他のファストファッションブランドと比べ、着回しの良さ、割引のよさ、着心地の良さなどが評価されているようである。ちなみに同調査で、NETは優良企業としての評価が抜群に高かった。

また、UNIQLOは、ダウンやフリース、ヒートテックなどの定番商品の存在も大きいとする見方もあるようだ。

地元ブランドと日本ブランドの2大巨頭

現在の台湾のファストファッションブランド界は、台湾ブランドと日本ブランドが2大巨頭と言っても過言ではないだろう。圧倒的店舗数と優良企業という台湾人の身近にあり、高い企業評価を受けているNETと、商品のデザイン性や機能で人気上昇中のUNIQLO、そして同じグループのGUのこれからの発展が楽しみである。

ライター:駒田優希

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