
台湾で若者のリアルな声を知るなら、今注目すべきはSNSでもInstagramでもなく、「Dcard(ディーカード)」かもしれません。
Dcardは、台湾の大学生を中心に急速に人気を集め、今では台湾Z世代の定番メディアとなっている掲示板型のSNSです。日本ではまだあまり知られていませんが、台湾の若者文化を理解する上で外せないプラットフォームです。
Dcardとは?

Dcardは2011年にサービスが開始された、台湾発のSNS型掲示板です。DcardのDはDestiny(運命)の略とされ、ユーザーが日々の思いや疑問を「カード」として投稿し、それに対して他のユーザーがコメントや共感を返す仕組みです。
主な特徴
- 大学生を中心にスタート当初は大学のメールアドレスでしか登録できず、学生限定の安全な空間として人気を集めました。現在は誰でも登録可能になり、ユーザー層も広がっています。大学の掲示板では授業を調べたり、~~の教室で工事をしている、~~の落とし物があったので届けておきましたなどの投稿があったりして便利です。
- 共感型コンテンツが中心恋愛、学校生活、美容、キャリア、人間関係、留学体験など、「誰かに聞いてほしい」「みんなの意見が知りたい」系の話題が多いのが特徴です。
- スマホ時代に適したUI/UXビジュアルとテキストのバランスがよく、InstagramやLINEに慣れている世代にも使いやすい設計になっています。
人気のカテゴリー

Dcard内にはさまざまなテーマの「版(バン=板)」が存在し、興味に応じて投稿・閲覧できます。特に人気のカテゴリーは以下の通りです:
- 感情吐露(心情):失恋や人間関係の悩みなどを匿名で共有
- 恋愛板:恋の相談、告白体験、デートの成功&失敗談
- 美妝板(メイク):おすすめのコスメ、スキンケアレビュー
- 校園生活:学校生活での事件、爆笑エピソード
- 職涯發展(キャリア):就職活動、転職、職場トラブル
なぜDcardが若者に支持されているのか?
- 匿名性と共感のバランス基本的には匿名で投稿できますが、過激すぎる内容や誹謗中傷は厳しく管理されており、安全な空間が保たれています。
- 「読むだけ」もOKなカジュアルさユーザーの多くは投稿せず、読むだけというスタイルでも問題なし。気軽に使えるのも魅力です。
- 共通の“青春”があるからこそ盛り上がる大学生活、恋愛、就活など共通体験を持つ若者同士だからこそ、共感されやすく、コメントも活発です。
Dcardは情報収集にも使える!

近年は企業のマーケティング担当者やリサーチャーからも注目されています。Dcardには消費者の本音レビューや体験談があふれており、特に若者向けの商品やサービスの反応を見るのにぴったりです。
- ある化粧品が「バズってる」と話題になれば、Dcard上でレビューが急増
- 飲食店やカフェも、Dcardでの口コミがきっかけで行列になることも
- 上の写真のように使い終わった教科書が売っていたりいろいろな投稿がある
つまり、台湾Z世代に“刺さる”かどうかをチェックする場所としても、Dcardは非常に有用なのです。
まとめ
Dcardは、台湾の若者たちが本音を共有し、共感し合う現代的な掲示板です。その親しみやすいインターフェースと、温かみのあるコミュニティ性が受け入れられ、今や台湾の若者文化を映す鏡のような存在になっています。
台湾のリアルな今を知りたい、若者向けにプロモーションをしたい、そんな方にとってDcardは“チェックすべき場所”です。
参照:
Dcard官方網站 https://www.dcard.tw/
Dcard – Wikipedia(中文・繁體字) https://zh.wikipedia.org/wiki/Dcard
數位時代(數位時代/Business Next) https://www.bnext.com.tw/
INSIDE(科技媒體) https://www.inside.com.tw/