台湾といえば旅行先としてよく上位に選ばれている国であるが、実は台湾は日本の海外進出第1国なのだ。言い返せばとてもビジネスがしやすい国と言っても過言ではない。なぜ台湾は日本企業の海外進出第1国としてよく選ばれるのだろうか。
訪日台湾人の数字
2018年を比較すると、日本を訪れた台湾人は482万6千人に対し、台湾を訪れた日本人は196万9千人。日本も台湾ブームであるが、日本に行く台湾人はその2倍以上。台湾と日本では人口が違うため、台湾人の日本好きさが伺える。
歴史からみる親日な台湾
以前日本が台湾を統治していことをご存知だろうか。日本ではあまり多く語られていないため、日本統治時代を知らない日本人は少なくないのではないだろうか。台湾における日本統治の期間は、台湾が1895年から1945年までの約50年間である。日清戦争の結果下関条約によって台湾が清朝から日本に割譲された1895年4月17日から、第二次世界大戦のポツダム宣言によって台湾が日本から中華民国に返還された1945年10月25日までの時代である。
この日本統治時代に日本は台湾で道路や電気、通信などのインフラの整備や、教育の普及、治安の維持に注力し、現在でも日本統治時代の記憶を残す歴史的価値の高いスポットが台湾には多くある。
台湾のお買い物の習慣
台湾人は品質の良い商品が好きな傾向があり、来日した際はよく日本製の商品を購入する。以前弊社で台湾人女性約300人にコスメアンケートを実施した際もアメリカブランド、韓国ブランなど多くある中で、日本ブランドは1番人気があった。日本ブランドに対する信頼の高さや安心感からこのような結果になっているのではないだろうか。(詳しくはこちらから:台湾人女性300人にアンケート !〜コスメの関心・意識調査〜)
毎年11月11日シングルスデーでは、台湾最大のECセールが開催され、ECサイトで特に人気があるのは日本製品。台湾財団法人資訊工業策進会、市場情報センターの調査によると、台湾人が購買選択する時、最初にECサイトで気になる商品を調べる。そして、すでに欲しいものが決まっている4割の人はまずPChome 24h購物で検索することがデータで判明している。そんなPChome 24h購物で1番売れている日本商品は食品だそうだ。2018年の総売上は約3.8億。日本製の商品は値段よりも品質を求めている人が多いのは確かだ。
台湾進出した理由とは?日本企業にインタビュー
以前弊社が台湾進出した日本企業になぜグローバルマーケットを台湾と選択したのか伺った。いくつかまとめたので紹介する。
UNITED ARROWS TAIWAN
「理由は、日本の文化やファッションに好意的な環境があったこと、親日であること、比較的四季があるということが良い条件だと思ったからです。
また、会社的にも初めての駐在員を出すということで、希望者は多いんだろなと思いながら試しに手を挙げてみたら、意外と人気がなくてびっくりでした(笑)自分自身も、何か新しいことを始めたいと思っていて、たまたま台湾の話が入ってきたのでいい機会だと思いチャレンジしました。」
(過去記事から確認できる:現地で日々成長を遂げるUNITED ARROWS TAIWAN!)
K.UNO
「親日であること、近年の台湾経済の発展、プリモ台湾の事業実績から共同出資会社を設立する運びとなりました。」
(過去記事から確認できる:台湾進出をした日本のジュエリー会社「K.UNO」に海外進出インタビュー!)
日本好きな台湾人は約60%!親日度発表
今年2月、日本台湾交流協会は台湾在住の20~80歳の男女1003人にインターネットと電話で日本に関する世論調査を実施。そこで、最も好きな国で「日本」と回答した人は59%であった。前回2016年に実施だれた調査より3ポイント上昇。また日本を信頼できるかという質問では、50%が「信頼できる」と回答。その理由に「自由・民主主義・基本的人権・法の支配といった共通の価値観」を選択した人は68%と最も多かった。台湾は歴史的にも文化的にも商業的にも親日国であることがわかる。
日本で流行っているものは台湾でも取り上げられて流行ることがよくある。そんなことから台湾はビジネスがしやすく、海外進出国として選ばれている。
ライター:富永千尋