/  Lifestyle  

SNS映えがカギ、台湾クリスマスの商機とは。

公開日: 

台湾のクリスマスの基本情報

台湾のクリスマスは日本と同じく祝日ではない。今年2019年は、24日は火曜、25日は水曜日。恋人や友人、家族とケーキを食べたり、プレゼント交換をしたり、ちょっとしたパーティーをしたり。過ごし方は、日本のそれとあまり変わらない。では、そんな台湾のクリスマスはどのような商機があり、どのような戦略を行っているのか。今回は、大きな2つのポイントに注目して紹介する。

台湾のクリスマスは「プレゼント」が鍵

なんと、驚くべきことに、台湾と日本の1人当たりのクリスマス消費額が変わらない、むしろ台湾のほうが少し多いのである。日本のクリスマスの経済規模はここ数年は、約7000億円とされており、台湾は昨年2018年のデータによると約383億元で約1364.78億円(2019.12.10のレート)と予測されていた。それぞれの数字を人口で割り、1人当たりの平均消費額を計算すると、日本1人当たり5520円、台湾1人当たり5739円をいう結果になる。一般的に日本のほうが物価が高いため、台湾のほうが消費規模が大きいと言えるであろう。また、すでに今年のクリスマスのプレゼント交換に関係する経済効果は215億台湾ドル(約766億円)に到達しているという報道も出ている。また、去年のyes123求職網というサイトの調査では、調査対象のサラリーマン100%が同僚とプレゼント交換をすると回答し、6分の5が、親友にプレゼントを渡す予定だと回答している。さらに少し古いデータにはなるが、ネット上で話題になったクリスマス関連の言葉は、圧倒的にプレゼントが半数を占めている。

クリスマスプレゼント 台湾
出典:大數聚

前述したように、台湾もクリスマスは休日ではなく仕事も学校もあるため、手軽にできるプレゼント交換がクリスマスの特別感を演出するポイントなのであろう。

SNS映えスポットがクリスマスマーケティングの鍵!

chiristmas in Taiwan

11月も半ばに差し掛かると、台湾のショッピングセンターや百貨店などは、それぞれ大規模なクリスマスイルミネーションで飾り立てる。大きなツリーやキャラクターとのコラボなど、それぞれの店が個性を出して、テーマを作り、盛大に華やかにクリスマスを迎える。実はこれが、クリスマス市場を盛り上げる、大きなマーケティング戦略なのである。「網美商機」(日訳:SNS映えビジネスチャンス)と呼ばれるマーケティング戦略で、読んで字の如く、昨今のSNS映えの影響力を利用したマーケティング手法である。ここで、台湾現地記事の一部を抜粋して紹介する。

中央社による新光三越台北信義新天地A9店長の孫紹堃への取材内容によると、SNSでシェアするのが流行している現在、映える場所を作り出せば、自然に人が集まり、彼らがそこで写真を撮り、綺麗な写真をSNSに上げれば、さらに多くの人が集まる。百貨店業界からしてみると、人が集まるところは、金も集まる。写真を撮りに来て、その後ウィンドウショッピングや食事などで、購買意欲を掻き立てるというメカニズムである。新光三越信義新天地はクリスマス・イルミネーション期間の11月27日から来年1月2日までに少なくとも400万人動員できると見込んでいるようである。

そして、イルミネーションスポットの創出マーケティングの一つの大きな要因として、以前ほど芸能人のイメージキャラクター戦略の効果が無くなっている、というものがある。商業発展研究院数創センター主任范慧宜によると、近年、様々な業界がPRをするのに、芸能人よりもYouTuberやインフルエンサーを起用しているとのこと。それは、消費者が、芸能人と同じ商品を使用しても、メイクさん等の技術者や光等なしに近づくことは難しいとだんだん気がついてきたということ。それに比べ、インフルエンサーやYouTuber等は、少し綺麗、少しかっこいい「私と同じ立場の人(一般人)」というイメージで、消費者に受け入れられやすいそうである。また、范慧宜の分析によると、SNSが流行していて、一人一台携帯を持っているこの時代、写真スポットで写真を撮るのは既に台湾人の日常である。しかし、多くの人が、「他人に見てほしい自分」を出すために、むやみやたらに写真をとるわけでなく、時間や情景を選んで行っている。

つまり百貨店業界は消費者の心理変化を把握していて、映える場所を作ることによって、消費者に「一般人の自分でもこのような背景を得れる」と感じさせる。これは、特別な情景でSNS映えする写真をとり、「他人に見てほしい自分」を演出したいという消費者心理にヒットしているといえる。

多くの素人がやってきて、SNS映えする写真をとり、フェイスブックやインスタグラムにポストし、スポットの情報が広まれば、すでに「素人マーケティング」の効果が出ている。

第二に、写真を撮りに来た人たちのほとんどは、そのまま百貨店の中に進みご飯を食べ、買い物をするので、自然と効果がでる。ここ数年、百貨店業界が懸命に装飾している行動からみると、マーケティング戦略は一定の効果を発揮しているようだ。

消費者心理を利用した「SNS映え」がポイント

以上の記事からわかるように、ここ数年の台湾のクリスマス市場は、プレゼントと「SNS映え」がキーワードである。プレゼント自体も、写真を撮って、ポストする人も多いため、「SNS映え」が関係していると言っても過言ではないであろう。また、時代は、テレビよりもYouTube、芸能人よりもインフルエンサーという波が、クリスマス市場にも影響しているようである。

 

ライター:駒田優希

台湾でのマーケティング施策をご検討であればお気軽にご連絡ください。
台湾マーケティング全般についてのご相談はこちらから
台湾インフルエンサーについてのご相談はこちらから

Author Information

アバター

投稿数:  76

株式会社maippleのインターン生が台湾のホットトレンドを更新していきます。

<  台湾土産の新定番!台湾コスメブランドheme喜蜜にインタビュー

Related Posts