台北市はアジアの中で最高のレジャー地として、レジャーライフスタイルアワード賞を初めて受賞した。2018年の調査では、台北は2位のタイのプーケット島、3位のシンガポールに先んじて1位にランクイン台湾は外国人にとっても台湾人にとっても非常に人気がある観光地である。では台湾人は可処分時間をどのように過ごしているのか。今回は台湾人の余暇活動について展開する。
年間休日数から見た可処分時間
台湾の年間祝日は11日間であるが、その一方で日本の年間休日数は17日間なので比較すると5日間台湾の方が少ない。しかし台湾は祝日が土日と重なった場合、振替休日がある。祝日が土曜日と重なった場合は先日の金曜日が休日になり、日曜日と重なった場合は翌日の月曜日が休日になる。また、火曜日等1日空いて休日がある場合は月曜日を休みにし、その代わりに土曜日に振替出勤することができる制度がある。これは日本と少し異なる台湾独自の点だ。台湾の祝日が11日間と土日の104日を合わせて、2019年の台湾年間休日数は115日である。
台湾人にとって美味しいものを食べることが最も好き?
古いデータになってしまうが、2012年にMasterCard社がアジア太平洋地域14カ国を対象に行った余暇活動に関する調査(複数回答可能)によると、美味しい物を食べることは台湾人にとって最も好まれた余暇活動である。
台湾人は他の余暇活動よりも外食64%を好み、続いてインターネット57%、ショッピング54%を好む。これとは対照的に、アジア太平洋地域の人々はショッピング50%、それに続いて外食46%、ネットサーフィン42%と回答。
台湾人が食事に出かける場所で最も多かったのは、フードコート月6回、ファストフード店月4回、そして喫茶店やバー月3回が多かった。また、台湾の外食の割合は調査した14市場の中で最も高かったが、外食の支出面からみると、月平均165米ドル(約1.3万円)の支出とこの地域では4番目に高い。日本やシンガポール、香港の方が高いが、アジア太平洋地域全体平均である118米ドル(約9.5万円)をはるかに超えている。
外食費は収入の5.1%。ちなみに日本は3.2%であった。台湾人が可処分時間のために使う支出の合計は所得の13%とアジア太平洋地域の中では平均的だ。
台湾の都会に住んでいる人々は可処分時間をどう過ごしている?
これも少し古いデータになるが、2014/8/7~2015/2/8までの約6カ月間行われた市場調査の結果である。大都市にするサラリーマンが対象とされたものであるため、台湾人にとっ一番の余暇活動はKTV(台湾のカラオケ)に行って友達と歌ったり一緒にご飯やお酒を楽しむことだ。続いて人気な余暇活動は家から出ずにのんびりすることであった。これは家でゲーム、家でゆっくり過ごすと俗にいう干物生活にあたる。休日はどこへ行っても混雑するという理由から家で過ごすという人が存在する。
10代の若者は可処分時間をどう過ごしている?
青少年の半数近くが、モバイル機器を使用してゲームするのが好きな可処分時間であると語った。小中学生の調査は台北に本拠を置くキングカー文化教育基金によって行われた。この世論調査によると、回答者の49.9%がモバイルゲームをするのが彼らのお気に入りの娯楽であると答え、46%が音楽を聴くのが好きである。
回答者に週末はどこで過ごすことが多いかという質問(複数回答可)に関しては、上位3位の結果は、家82.7%、公園37.2%、デパート31.2%であった。夏休みにしたいことに関しては、家族旅行に行きたいと答えた人60.9%、短期留学プログラムのために海外旅行に行きたい35.3%と答え、地元のサマーキャンプに参加したい29.4%と答えた。
青少年が家にいる傾向にあるのは、スマートフォンやインターネットの使用率が高いことが原因で、夏休みに両親に子供たちと家族旅行に行くように勧めている、と同財団は述べている。
それに対し小学校の校長は、学校が生徒に地域奉仕に参加するか、家族と一緒に旅行するよう奨励する夏の課題を生徒に与えることを提案。財団は、遠隔地の子供たちのためのサマーキャンプを組織するために60の高校と大学を後援するために2017年に150万台湾ドル(約558万円)の予算を割り当てた。
台湾の娯楽の主要需要構造
台湾の娯楽の主要需要構造は5つのピラミッド式になっている。レジャー開拓者の需要構造から判断すると、台湾のレジャー価値開発の焦点は異なり、台湾の消費者は個々の身体的及び精神的バランスと精神的な充実を重視し、自己成長が需要の焦点である。
グレーが中国、黄色が台湾の結果を示している。モバイル機器やパソコンがあればいつでも楽しめるオンラインゲームや映画、読書は非常に人気がある。一方アウトドアで好まれている可処分時間は国内旅行が最も高く、60%高い数値から非常に人気なことがわかる。また台湾人は家族と一緒に旅行することを好んでいるが旅行以外だと、サイクリングやドライブ、講座を受けること、キャンプや写真、劇や展覧会、料理が30%以上の数値であり、人気がある可処分時間である。料理については台湾は外食文化があるため、日頃から料理をする習慣がない。しかし近年趣味として料理やお菓子作りが好まれていることだろうか。
台湾の休日と可処分時間
台湾人の年間休日日数は多いとはいえないが、台湾人は休日に仕事を持ち込まないので、休みの質は高いのではないかと感じる。日本も同様に世界的に見て年間休日数が多くない、また日本人は休日に仕事を持ち込むことが結構あるように思えるので、台湾と同様に自分の好きな可処分時間をして休みの質を高めていったらと良いと思う。また、上記で台湾人の可処分時間について紹介したが、台湾人は家族との繋がりが非常に強いため、休日は家族と一緒に過ごすことが一般的である。台湾の記念日は特に家族と一緒にお祝いすることが欠かせない。この台湾の文化や余暇の過ごし方は台湾人のビジネスすることにおいて非常に大切に感じる。
ライター:富永千尋