
台湾・台北発のデザイン特化型マーケットプレイス「Pinkoi」は、2011年の創業以来、アジアを中心に世界77カ国へ越境販売を展開するプラットフォームへと成長しました。
会員数は600万人を超え、5万以上のショップが出店。多言語・多通貨対応や物流サポートを通じて、クリエイターのグローバル展開を後押ししています。
本記事では、Pinkoiの成長背景、クリエイター支援の仕組み、越境EC戦略、そして日本ブランドにとっての活用ポイントを解説します。
1. 創業背景とミッション

創業者Peter Yen氏は、シリコンバレーで触れたクラフト文化から着想を得て、
「才能あるデザイナーが世界中のファンと出会える場を作りたい」という思いでPinkoiを設立しました。
Pinkoiは単なるオンライン販売サイトではなく、クリエイターのビジネス成長を支える“伴走型プラットフォーム”です。
2. 厳選された出店制度
Pinkoiは審査制を導入し、オリジナル性・デザイン性を満たすクリエイターのみ出店を許可しています。
承認率は約10%とも言われ、これによりサイト全体のクオリティが維持され、消費者の信頼を獲得しています。
3. クリエイター支援の仕組み
Pinkoiは越境ECに必要な要素をワンストップで提供しています。
- 多言語・多通貨対応:自動翻訳機能と国別通貨・決済方式のサポート
- 物流・関税サポート:国際配送や関税処理を一括で代行
- 販促支援:SNSやメールマガジン、オフラインイベント「Pinkoi Market」での露出強化
- 表彰制度:Pinkoi Design Awardsによるブランド価値の向上
- 販売分析ツール:AI活用による需要予測や商品推薦
これらにより、個人デザイナーでも海外販売に挑戦しやすい環境が整えられています。
4. グローバル戦略と市場拡大

Pinkoiはアジアを起点に、積極的な海外展開を行っています。
- 日本市場への参入強化:2016年に日本のクラフトEC「iichi」を買収
- 法人向け事業「Pinkoi for Business」:卸売や小売業者向けにデータ・物流ソリューションを提供
- 日本デザイナー支援:2023年には最大3ヶ月の出店手数料無料キャンペーンを実施し、日本ブランドの海外進出を後押し
これらの戦略により、アジア発の越境ECとして確固たる地位を築いています。
5. 日本ブランドにとってのメリット
Pinkoiは特に日本ブランドと相性が良いプラットフォームです。海外市場では「繊細な素材」「丁寧な説明」「長く使える品質」への需要が高く、日本のモノづくりと親和性があります。
日本ブランドが成功するためのポイント
- 海外市場で響く商品説明(英語・中国語対応)
- 素材や製造背景を伝えるストーリーテリング
- 高品質写真と世界観の統一
6. まとめ
Pinkoiは、厳選されたクリエイター制度と総合的な支援体制で、アジア発デザインの国際的な流通を実現してきました。
日本のデザイナーやブランドにとっても、越境ECの第一歩を踏み出す有力な選択肢となるでしょう。
参考文献・参照サイト
- Pinkoi 公式サイト(会社概要)
- Pinkoi 公式ブログ(インタビュー記事)
- Pinkoi 出店ガイド
- Wikipedia(英語版)
- Wikipedia(中国語版)
- PR TIMES – Pinkoi 日本ブランド向けキャンペーン
- Forbes JAPAN – Pinkoiの戦略分析
- Wantedly – Pinkoi 事業概要
- note – 出店体験談