どうなっているの?台湾の映画市場の推移

出典:パルコ調布キネマ

台湾の映画館は日本と違う点がいくつかある。例えば日本よりも米国映画や海外の映画が早く公開されること、料金が安いこと、またほとんどの映画館が深夜上映をしていること等があげられる。今回はそんな台湾の映画市場規模や消費者はどのくらい映画鑑賞するのか、台湾の映画館、映画事情を紹介する。

世界の映画市場

直近6年間世界の映画市場は上昇している。2013年と2018年を比較すると52億米ドル(5.6千億円)の増加であった。中でもアジアの成長が目立っている傾向があるのだ。中国の映画市場が最も勢いがあることがあげられる。

台湾の映画市場

台湾の映画市場では、2017年台湾の興行収入は約105.7億台湾ドル(366.3億円)であった。総映画視聴者は約4,542万人。 国内映画の「紅衣小女孩2」は1.06億ドル(約1.7億円)の興行収入。2017年では759本の映画が公開された。その中で最も本数が多いアメリカ映画は231本(全体の30.44%)であり、続いて本数が多いヨーロッパ映画は全部で212本(全体の27.93%)であった。

2013年から2016年までの1人当たりの国内映画視聴本数

2017年における1人当たりの平均映画視聴本数

※台湾の2017年の人口23,571,227人で計算

2017年の台湾の一人当たりの平均映画視聴本数は1.93本であり過去5年間で1番高い数値であった。各国の映画と比較すると台湾映画の一人当たりの平均本数は約0.14本。2016年と比較するとかなり高いことがわかる。また中国・香港・マカオ映画の一人当たりの平均本数は0.4本と最近減少した。その理由として、2016年に香港映画「寒戰2」「葉問3」のシリーズ映画が大人気であったことから視聴率が大幅に増加したが、2017年には平均本数に戻った。その他の外国映画の中ではアメリカ映画が約1.45本と最も視聴率が高い。

2013年から2017年における興行収入の割合

2013年から2017年までの主要な記念日や休暇を通して期間の興行を観察すると、市場シェアは全体的に見て、7月8月の夏休みが台湾映画市場の主要期間であり、2013年から2017年とほぼ全期間を占めている。年間興行収入の20%を占めるが国内の興行収入の割合は近年減少傾向がある。ただ国内の台湾映画は公開時期を調節できるが、ハリウッド映画の中には記念日や春節のような時別な休日以外に公開されるものがあるので、一概には記念日と映画の関係性があるとは言えない。

台湾の映画館

現在台湾には118ヶ所の映画館が存在している。台湾では仕事終わり、学校終わりの平日夜に友達や恋人と映画館へ行き、映画を楽しむ人が多い。そのため、平日午後7時からの映画などは人気があり、映画館が賑わっているのが特徴的である。平日のほうが映画の金額が安いため、平日に見る人が多いのではないだろうか。また、台湾には残業する文化や仕事の後の飲みニケーションが比較的に少なく、仕事の後は完全プライベートを楽しむ人が多いことも理由の一つである。日本では残業があったり、会社の付き合いで飲みニケーションも多いことからシネコンにおいてはナイトショーよりも休日の映画のほうが人気だと言える。

そして最も特徴的なことは台湾の映画館の営業時間が日本よりも長いことだ。ほとんどのシネコンでは平日でも深夜12時から上映している映画館が少なくない。信義威秀影城では平日に関わらず深夜2時から上映されてる。

※シネコン…複数のスクリーンをもつ大きな映画館のこと

台湾の映画料金

台湾の映画の料金である。


※4DX…リアルな刺激を味わうことが出来る体感ライドシアター。映画のシーンに合わせて「シートの可動」「風」「煙」「雨」等の15種類もの特殊効果が導入されている映画。

台湾の映画館は日本と同じように様々な割引があるため、鑑賞する場所・予約する時期によって価格が少し異なる場合がある。学割やシニア割引、指定のクレジットカードを持っているとお得に映画を鑑賞出来る。通常タイプの映画の2Dの金額を日本と比較すると台湾で映画を観ることは1/2の金額で楽しむ事が出来、非常にお得に感じる。

台湾の映画まとめ

依然と人気があるのはアメリカ映画やヨーロッパ映画だが、街の至る所では日本映画の宣伝が行われているため、現地では日本の映画も認知されている。また、現在台湾の映画館では大森南朋さん演じる自由奔放な天才詩人・北原白秋と、AKIRAが演じる天才音楽家・山田耕筰の友情を描いた物語である「この道」が上映中である。台湾の映画館では日本よりも多くの海外映画を上映している。日本映画を通して日本に興味を持つ人が増えたらと嬉しい。

ライター:富永千尋

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