そもそも光棍節とは?
光棍節というのは、11/11を指す。他にも雙11やシングルズデー、独身の日などと言われている。中国のECサイトを運営するアリババグループなどが大規模セールをはじめ、そこから、11/11に大規模セールが行われるのが中華圏で主流になりつつある。そしてセールは、ネットショップから始まり、路面店でもどんどん行われるようになっている。ブラック・フライデーのような感覚である。
なぜ、光棍節がシングルズデーになるかというと、中国語で「光」は「ただ、だけ」「何もない、何も残っていない」「つるつるしている」等の意味があり、一人「だけ」のシングルの人という部分と、1が並ぶ11/11は「つるつるしている光棒」に視覚的に似ているということ等の理由があるそうだ。
台湾での光棍節の動向
2009年ごろ中国大陸から始まったとされる光棍節だが、台湾でも年々市場が拡大している。2017年には台湾全土でも購買力がかなりの勢いで伸びていることを各メディアがとりあげ、2018年は、台湾の通信会社5社が11月11日限定のお得プランなどを用意したことが話題になっている。
ここで、どれだけ普及し始めたのかの具体例を紹介する。台湾の通販MOMOの去年2018の11/11一日業績は12億元で、それは、前年2017年11月11日の6倍、さらに平日の業績の10倍である。また、当時のオンラインショッピングの閲覧者数はピーク時には1300万人で、それは、平日の8倍に値する数であった。同様に複数のプラットフォームで商品を販売している東森購物の当日の業績は、1.4億元を超えた。これは、15年間で最高の業績だった。同じ旗下のオンラインショッピング、テレビショッピング、カタログ、テレフォンセールス等全てを合わせると、なんと2億元を超えた。
以下のグラフは、2017年11月28日から12月4日にかけて調査されたデータである。2017年11月の出費のタイミングとしては、百貨店の記念日やブラックフライデー等をしのいで圧倒的に雙11(シングルズデー)が首位である。
また以下のグラフから、買い物する人数が増えただけでなく、1人が買い物をする回数や使う金額も増加したことが分かる。
これらのことから、年々、台湾でも多くの人に受け入れられ、欠かせない買い物イベント日になっていることがわかる。
「雙11」の次は「618」がくる?
普及し始めている雙11(シングルズデー)を追いかけるように勢いを持っているのが「618」である。実は、「618」も中国ECのグループ京東集団が設立の記念日セールとして始めたのがきっかけだ。しかし他社のECサイトも同じ日にビッグセールをするようになり、中国EC上では雙11に並ぶ買い物イベント日になっている。今まで台湾ではそれほど注目されてはこなかったのだが、今年のGoogle Trendで急上昇したことで話題になっている。数年のうちに雙11(シングルズデー)と同様に台湾でもポピュラーな買い物日になっているかもしれない。
ライター:駒田優希