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自転車は借りるモノ!?オートバイ王国台湾にあふれるレンタルバイクの実態

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台湾の街並みでひときわ目を引くものといえば、オートバイを思い浮かべる人が多いはずである。それもそのはず、台湾はオートバイの普及率が世界一なのである。日本が9.4人に1台なのに対し、台湾ではなんと1.8人に1台という驚異の普及率である。子供や高齢者を除けば、実質1人1台所有していることになるだろう。そんなオートバイ王国台湾に近年オートバイに負けず劣らず街で目を引くモノがでてきた。それは「U」「O」「V」、3つのバイクである。

 

人気爆発中「U」U-bike

U-bikeとは台北市が管理しているレンタルバイクのことである。使い方はいたって簡単で、台湾のICカード「悠游卡」と台湾での電話番号またはクレジットカードがあれば誰でも利用することが出来る。U-bikeは「ステーション方式」を採用していて、各所に点在するステーションで借りて利用するのだが、返却する際はどこのステーションでも可能である。これが従来のレンタル自転車と異なる点であろう。それが人気の秘密なのか利用者が急上昇しているのである。

このグラフは台北市におけるU-Bikeのレンタル利用数とステーションの利用ランキングである。本格始動の2012年8月から右肩上がりというのがうかがえる。2015年4月より以前の初乗り30分無料から5台湾ドルになり一時的に利用者が減少し、このまま利用されなくなると懸念されたが、すぐに30分有料化以前の利用者水準に戻っている。ステーションは2009年に台北市でサービスが開始されてから今では新北市や桃園市などに対応エリアを広げ、2017年9月現在はおよそ1300のステーションが存在する。今後もステーション数が増加されるにつれU-bikeの利用者は増加するだろう。

 

U-bikeの寡占に待ったをかける「O」O-bike「V」V-bikes

台湾のレンタルバイク市場は長らくU-bikeの寡占が続いた。しかし、それに待ったをかけるバイクが現れた。2017年4月、シンガポールのO-bikeが台湾に進出。2017年8月アメリカのV-bikesが台湾に進出。なんとこの2017年に海外から2つのレンタルバイクが台湾に押し寄せてきたのだ。しかもそれは料金、利便性でU-bikeを上回っている。U-bikeは30分5元(最初の30分以降30分ごとに10台湾ドル)なのに対しO-bikeは15分2元と-、さらにO-bikeは決められたステーションを持たず、車体にGPSがついているためどこでも乗り捨て可能。V-bikesもGPSを車体に搭載しており、人口衛星によって仮想ステーションを設置する仕組みになっている。料金は30分ごとに10台湾ドル。GPSを搭載したレンタルバイクの市場参入により、U-bikeは消滅していくと思われた。しかしまだそれは早いようだ。上記のグラフをみてみると、O-bike参入の2017年4月以後、決してU-bikeの利用者は減少していくというわけではなさそうだ。6月期はO-bikeの知名度が上がったのか定かではないが、U-bikeの利用者は減少。しかし、翌月の7月8月は上昇。なぜ料金、利便性ともに不利であろうU-bikeの利用者はそれほど減少しないのか。それには理由があった。

 

・長年培ってきたロイヤリティのある利用者の存在

・U-bikeはICカードとケータイの番号だけで、レンタル登録ができて便利。

・O-bike や V-bikes を借りるには、クレジットカードを使うので、U-bike に比べると面倒。それに加え個人情報が漏れるセキュリティ面の問題

・学生はクレジットカードを持っていない

・U-bikeは乗り心地がよい。

(聯合報調べ)

(引用元:https://udn.com/news/story/7266/2627319)

長年利用しているからこその安心感、クレジットカードを使用しなくていい安心感が理由にあがっている。上記のグラフの利用ステーションランキングの上位には大学付近のステーションが複数あがっていることが目をひく。クレジットカードを所持していない学生は多いであろう。さらにU-bikeは台湾の大手自転車メーカー「GIANT」が製造しているだけあって、その質は利用者の信頼とともに高いのであろう。O-bike,V-bikesの進出によってその地位が危ぶまれたが、U-bikeはまだまだこれからだ。

 

なぜ台湾でU-bikeが人気なのか?

台湾の「夜市」をご存知の方は多いであろう。その夜市にはインターネットで登録すれば誰でも数百台湾ドル程度で出店できるようだ。夜市とは場所をシェアしてマーケットを共同で開く。ある種シェアリングエコノミーであるはずだ。そんな文化がある国だからこそシェアという概念は浸透されやすいのだろうか。とはいえ、レンタルバイクのようなシェアリングという概念が浸透している国は観光客にとって嬉しい。インバウンドで世界から注目を浴びる台湾(詳しくはhttps://taiwanlabo.com/marketing/taiwanmarket/)にとってもそれはポジティブなことであるはずだ。群雄割拠の戦国時代に突入した台湾レンタルバイク市場から今後も目が離せない。

 

U-bike: https://www.youbike.com.tw/

O-bike: https://o.bike/

V-bikes: http://www.vbikes.com/

 

 

 

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